5話 こんな大人になれたらいいのに。
静かな夜の住宅街に、二人分の足音が響く。ぽつぽつと街路灯が照らす道を、卯月さんと一緒に歩く。馴染みのない歩道を進むうちに、見慣れたアパートが遠くに見えてきた。
「大学の演劇サークルって何すんの?」
ここまで辿り着くまでに、私は話せる範囲で自分の事を話した。大学では演劇研究サークルに所属していること、歌うことが好きなこと、夜は動画や書籍を見ながら、料理の基礎を勉強していることも。
「脚本を作るチームと、舞台に立つチームと、それから裏方のチームに分かれてオリジナルの劇を作るんです。ちゃんと上演会もあるんだよ」
「奈々は何すんの? 演技できんの?」
「私は裏方だよ。衣装とか小物作ったり、音響編集したり。サポート役かな」
自分が舞台に上がるんじゃなくて、舞台に立つ人達の応援がしたい。その思いで演劇サークルに入った。どうすれば演者の魅力を引き出せるのか、音という素材を舞台でどう活かすのか。そういう視点でものを考えるのが好きと答えたら、卯月さんが「意外」だと反応した。
「……けど、いいな。そういう考え方。俺好きだわ、奈々のそういうとこ」
「そ、そうかな」
素直に褒められると照れくさい。そんな事を話し込んでいるうちにアパートに着いてしまった。敷地内に足を踏み入れ、卯月さんの方を振り返る。
「送ってくれてありがとうございました」
「どういたしまして。……そうだ、奈々」
「なあに?」
「来週末、ヒマ?」
「大学の演劇サークルって何すんの?」
ここまで辿り着くまでに、私は話せる範囲で自分の事を話した。大学では演劇研究サークルに所属していること、歌うことが好きなこと、夜は動画や書籍を見ながら、料理の基礎を勉強していることも。
「脚本を作るチームと、舞台に立つチームと、それから裏方のチームに分かれてオリジナルの劇を作るんです。ちゃんと上演会もあるんだよ」
「奈々は何すんの? 演技できんの?」
「私は裏方だよ。衣装とか小物作ったり、音響編集したり。サポート役かな」
自分が舞台に上がるんじゃなくて、舞台に立つ人達の応援がしたい。その思いで演劇サークルに入った。どうすれば演者の魅力を引き出せるのか、音という素材を舞台でどう活かすのか。そういう視点でものを考えるのが好きと答えたら、卯月さんが「意外」だと反応した。
「……けど、いいな。そういう考え方。俺好きだわ、奈々のそういうとこ」
「そ、そうかな」
素直に褒められると照れくさい。そんな事を話し込んでいるうちにアパートに着いてしまった。敷地内に足を踏み入れ、卯月さんの方を振り返る。
「送ってくれてありがとうございました」
「どういたしまして。……そうだ、奈々」
「なあに?」
「来週末、ヒマ?」