4話
浴衣姿で外に出るのは本当に久しぶり。近所からの視線が気恥ずかしくて、誤魔化すように前髪をいじる。好奇の目に怯えながら過ごしてきた学生時代、できるだけ目立たないように控えめな格好を貫いてきた私。お洒落をしない、メイクもしない、服装も地味なものばかりを選んできた。それらを意識し始めたのは大学生になってからだ。
日が傾き始め、遠い空に浮かぶ雲が朱に染まっていく。私の黒い影も心持ち長くなった。幼い頃は俯きながら歩く癖があったけど、今はほら、ちゃんと前を向いて歩けるようになった。そんな自分を褒めてあげたい気分になる。
「……あ」
公園で見覚えのある姿を見つけた。卯月さんが木陰のベンチに腰掛けてスマホを操作している。無地の黒Tシャツに、緩やかなワイドパンツのシンプルコーディネート。白のイメージが強かった彼の意外性に驚きつつも、その余裕のあるスタイルに大人の魅力を感じてしまう。
「卯月さーん!」
声をかけると、彼は画面から顔を上げた。私の方を振り向いて、片手を挙げながら腰を上げる。私が笑顔で駆け寄ると、向かい合わせになった卯月さんも嬉しそうに微笑んだ。軽く巻いたおくれ毛に触れて、人差し指で弄ぶ。
「似合うじゃん」
「ほんと? 可愛い!?」
「可愛い可愛い。こういう格好もいいな」
素直に褒められて頬が緩んだ。卯月さんは私を喜ばせるのが上手い。どんな些細なことでもたくさん褒めてくれるから、単純な私はいつも舞い上がってしまう。彼の手のひらの上で見事に転がされてる気がする。
日が傾き始め、遠い空に浮かぶ雲が朱に染まっていく。私の黒い影も心持ち長くなった。幼い頃は俯きながら歩く癖があったけど、今はほら、ちゃんと前を向いて歩けるようになった。そんな自分を褒めてあげたい気分になる。
「……あ」
公園で見覚えのある姿を見つけた。卯月さんが木陰のベンチに腰掛けてスマホを操作している。無地の黒Tシャツに、緩やかなワイドパンツのシンプルコーディネート。白のイメージが強かった彼の意外性に驚きつつも、その余裕のあるスタイルに大人の魅力を感じてしまう。
「卯月さーん!」
声をかけると、彼は画面から顔を上げた。私の方を振り向いて、片手を挙げながら腰を上げる。私が笑顔で駆け寄ると、向かい合わせになった卯月さんも嬉しそうに微笑んだ。軽く巻いたおくれ毛に触れて、人差し指で弄ぶ。
「似合うじゃん」
「ほんと? 可愛い!?」
「可愛い可愛い。こういう格好もいいな」
素直に褒められて頬が緩んだ。卯月さんは私を喜ばせるのが上手い。どんな些細なことでもたくさん褒めてくれるから、単純な私はいつも舞い上がってしまう。彼の手のひらの上で見事に転がされてる気がする。