4話
勢いよく頷けば、卯月さんは可笑しそうに笑った。チラシをくるくると棒状に巻き、私の頭をぺちぺちと叩く。
これは、完全に遊ばれてる。いまだに卯月さんの中で私は子供扱いのレベル。抱く抱かない以前の問題だ。でも、このスキンシップも今となっては嬉しいと感じてしまう。
思わぬ方向に話が進んじゃったけれど、湧き起こる喜びに顔のニヤけが止まらなかった。彼とお出掛けする約束ができたことが嬉しくてたまらない。確実に自分の中で、卯月さんの存在が大きくなっていることを自覚する。
芽生え始めている感情はまだ曖昧なまま。恋愛とか敬愛とか、そういう具体的な単語に当てはめてしまうのを憚られるほどに幼い感情。それなのに、卯月さんに惹かれている事実だけは明白で。この感情の名前が何であれ、もっと彼に近づきたい、一緒にいたいという気持ちが日に日に強くなっていく。
「祭り当日は土曜日か。俺が迎えに行くか?」
それまで幸福に浸っていた思考が急にクリアになった。瞬時に脳裏を掠めたのは、卯月さんの元カノの存在。結局、元カノが私のアパートの住民なのかはわからないまま。その事実を卯月さんに明かしていないこともあって、私は慌てて彼に次の提案をする。
「あの、どこかで待ち合わせしませんか?」
「いいけど……なんで外で待ち合わせ?」
「準備に時間がかかりそうだし」
「ふうん……? まあいいけど」
特に気にかけるわけでもなく、卯月さんは私の提案を受け入れてくれた。疑問符を浮かべたままだったけど、一応納得はしてくれたみたい。安堵しつつも、ほんの少しの罪悪感が芽生える。卯月さんはまだ、私と初めて出会った場所がアパートの階段下だってことに気づいていない。彼の元カノと、私が住んでいるアパートが、実は一緒だということを、私はまだ伝えられずにいた。
これは、完全に遊ばれてる。いまだに卯月さんの中で私は子供扱いのレベル。抱く抱かない以前の問題だ。でも、このスキンシップも今となっては嬉しいと感じてしまう。
思わぬ方向に話が進んじゃったけれど、湧き起こる喜びに顔のニヤけが止まらなかった。彼とお出掛けする約束ができたことが嬉しくてたまらない。確実に自分の中で、卯月さんの存在が大きくなっていることを自覚する。
芽生え始めている感情はまだ曖昧なまま。恋愛とか敬愛とか、そういう具体的な単語に当てはめてしまうのを憚られるほどに幼い感情。それなのに、卯月さんに惹かれている事実だけは明白で。この感情の名前が何であれ、もっと彼に近づきたい、一緒にいたいという気持ちが日に日に強くなっていく。
「祭り当日は土曜日か。俺が迎えに行くか?」
それまで幸福に浸っていた思考が急にクリアになった。瞬時に脳裏を掠めたのは、卯月さんの元カノの存在。結局、元カノが私のアパートの住民なのかはわからないまま。その事実を卯月さんに明かしていないこともあって、私は慌てて彼に次の提案をする。
「あの、どこかで待ち合わせしませんか?」
「いいけど……なんで外で待ち合わせ?」
「準備に時間がかかりそうだし」
「ふうん……? まあいいけど」
特に気にかけるわけでもなく、卯月さんは私の提案を受け入れてくれた。疑問符を浮かべたままだったけど、一応納得はしてくれたみたい。安堵しつつも、ほんの少しの罪悪感が芽生える。卯月さんはまだ、私と初めて出会った場所がアパートの階段下だってことに気づいていない。彼の元カノと、私が住んでいるアパートが、実は一緒だということを、私はまだ伝えられずにいた。