4話

 肌を重ねている間だけ愛情を注がれても、それは一時的なもので、浅い感情だと分かってた。でも卯月さんは違う。触れ合いはないけれど、彼からの保護者的な愛情をしっかりと感じ取れる。ちゃんと私を気にかけて、見守ってくれているのがわかる。だからこんなに満たされる。

 そんな風に日々を過ごしていても、やはり女として生まれた以上、性欲は消えないもので。卯月さんと一緒にいると幸せな反面、身体の芯が疼くことがある。深いキスもハグも無いのに、卯月さんの傍にいるだけで妙に落ち着かなくなる。以前なら当然のようにホテルに行って満たされていた欲望だ。
 それを卯月さんに求めてしまいたくなる衝動を抑えきれずにいる。私を抱いて欲しいという欲望が未だに燻り続けている。何度かさりげなくアピールしてるけど、毎回笑ってかわされてしまう。でも、それも仕方のない話だ。

 彼は以前、「好きな女じゃないと抱かない」と発言してる。でも私は恋愛関係は望んでいない。こんなに大人で素敵な人に抱かれてみたいなあ、なんて思っただけで、彼の恋人になりたいわけじゃないし、そんなつもりもない。
 一度だけでいいから、気まぐれで抱いてくれないかな。そんな淡い期待を抱きながら、私は今日も彼の元へ向かう。


 一度抱いてもらえたら、その後は自由にセフレ君達と遊ぶつもり。本当は卯月さんの言う通り、好きな人にだけ抱かれるのが一番だと思う。それでも私は「全てを捧げる」なんて真面目な生き方は出来ない。「普通」じゃない私はきっと、「普通」の恋愛なんて難しいと思うから。
6/19ページ
スキ