3話

 すごく健康的な理由だった。でもいいのかな。私が彼にできることは現状何もないのに、一方的に部屋に押しかけてタダでご飯を頂くなんて、さすがに申し訳なく感じる。そこまでしてくれる義理立ても、卯月さんにはないはずで。

「メシついでに料理教えてやるよ」
「いいの?」
「つーか、料理できないくせに食生活改善しようなんて無謀なんだよ。大体料理できないんじゃなくて、朝霧の場合、料理しないんだろ」
「うっ」

 正論すぎてぐうの音も出ない。ここまで言われて断る理由も特にない。これは卯月さんからの提案だし、彼から料理を乞うことに遠慮する必要なんてないのかもしれない。
 むしろ逆に考えてみると、これは卯月さんに近づけるチャンスだ。毎日顔を合わせれば親密になれるかもしれないし、料理を通じて好感度アップも狙える可能性がある。そうして卯月さん好みの女になっていけば、抱いてもらえる機会に恵まれるかもしれない!

 それに、美味しいご飯を食べながら彼と会話を弾ませるこの時間も楽しいから。卯月さんもそう思ってくれてたら嬉しいなって思ったから。

「また来てもいい?」

 それが私の出した答え。

「来たいときに来れば。……あ、でも残業も結構あるから、週末の方がいいかもな」
「じゃあ事前に連絡した方がいいよね」
「ライン交換するか。来たい日に連絡して」

 お互いにスマホを取り出して画面を操作する。卯月さんがQRコードを表示して、私のスマホで読み取れば、あっという間に友達リストに彼のアイコンが登録された。
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