2話
「あの……卯月さん」
「ん? あ、包丁使えない? ピーラー使っていいよ」
「いや、そうじゃなくて」
「なに。まだ何かあんの」
「抱いてください」
真剣な眼差しで訴える。直球で挑んだ私の発言に、けれど卯月さんは一切顔色を変えなかった。驚いたり動揺している様子も全くない。やっぱり私の誘いの意図に、この人はちゃんと気づいていたんだ。気づいてたくせに乗ってこないなんて、一体どういうつもり?
「……あのさ」
暫しの沈黙の後、彼が重い口を開いた。
「自分、男にモテるとか思ってる?」
「……え?」
予想していた返事とはまるで違う発言に目を丸くする。
「今まで美人だの可愛いだの言われて調子乗ってたかもしれないけど、男に媚びれば誰もがアンタに興味持つと思うなよ。アンタは俺の好みじゃないし、ガキの相手をする義理もない。興味ない人間を抱くほど俺は飢えてないから」
淡々とした口調で告げられる冷たい言葉に思考がフリーズする。何を言われたのか理解するのに数秒を要した。興味ない、好みじゃない、ガキ。どれもこれも異性から初めて言われた台詞だった。こんなに拒絶されるのは初めての経験で、なんていうか、とても新鮮な気持ちになった。
侮辱された悲しみより物珍しさの方が勝ってポカンとする。けれど、次に放った彼の言葉に私は過剰反応した。
「ん? あ、包丁使えない? ピーラー使っていいよ」
「いや、そうじゃなくて」
「なに。まだ何かあんの」
「抱いてください」
真剣な眼差しで訴える。直球で挑んだ私の発言に、けれど卯月さんは一切顔色を変えなかった。驚いたり動揺している様子も全くない。やっぱり私の誘いの意図に、この人はちゃんと気づいていたんだ。気づいてたくせに乗ってこないなんて、一体どういうつもり?
「……あのさ」
暫しの沈黙の後、彼が重い口を開いた。
「自分、男にモテるとか思ってる?」
「……え?」
予想していた返事とはまるで違う発言に目を丸くする。
「今まで美人だの可愛いだの言われて調子乗ってたかもしれないけど、男に媚びれば誰もがアンタに興味持つと思うなよ。アンタは俺の好みじゃないし、ガキの相手をする義理もない。興味ない人間を抱くほど俺は飢えてないから」
淡々とした口調で告げられる冷たい言葉に思考がフリーズする。何を言われたのか理解するのに数秒を要した。興味ない、好みじゃない、ガキ。どれもこれも異性から初めて言われた台詞だった。こんなに拒絶されるのは初めての経験で、なんていうか、とても新鮮な気持ちになった。
侮辱された悲しみより物珍しさの方が勝ってポカンとする。けれど、次に放った彼の言葉に私は過剰反応した。