2話
なんだか彼のペースに振り回されている気がして落ち着かない。やっぱり私が主導権を握らないと駄目だと思い直し、カップを置いて彼の傍へと歩み寄る。卯月さんは丁寧な手つきでフライパンを傾けながら何かを焼いていた。そっちも何気に気になるけれど、今は夕飯よりも確かめなきゃいけないことがある。
私がそっと背後に立っても、彼は特に気にする様子もなく、フライパンに集中している。その横顔が真剣そのもので、なんだか可愛く見えて堪らない気持ちにさせる。頬にあった跡は綺麗に消えていて安堵した。吸い寄せられるように近づいて、後ろからぎゅっと抱きついてみる。
「……?」
当然ながら彼は動きを止めた。訝しみながら私を見る。構わず頬を彼の肩口に擦り寄せた。
「……何してんの」
「ねえ卯月さん。恋人いるんですか?」
「……なんで?」
「だって気になるから。理由は聞かなくてもわかるよね……?」
今朝、私は確かに彼を誘った。慰めてあげると言った。その意図を、この人は確かに察してくれたはずだ。だから私を部屋に誘ったんだから。
……と、私はそう思っていた。一緒にごはん食べましょうみたいな、そんな可愛らしい会話ではなかったはず。
背中にぴったりと密着していれば、卯月さんはIHを一時停止させた。そしてこちらを振り向く気配。顔を上げれば、その漆黒の瞳がじっと私を捉えている。距離が近すぎて息が詰まりそうになる。
私がそっと背後に立っても、彼は特に気にする様子もなく、フライパンに集中している。その横顔が真剣そのもので、なんだか可愛く見えて堪らない気持ちにさせる。頬にあった跡は綺麗に消えていて安堵した。吸い寄せられるように近づいて、後ろからぎゅっと抱きついてみる。
「……?」
当然ながら彼は動きを止めた。訝しみながら私を見る。構わず頬を彼の肩口に擦り寄せた。
「……何してんの」
「ねえ卯月さん。恋人いるんですか?」
「……なんで?」
「だって気になるから。理由は聞かなくてもわかるよね……?」
今朝、私は確かに彼を誘った。慰めてあげると言った。その意図を、この人は確かに察してくれたはずだ。だから私を部屋に誘ったんだから。
……と、私はそう思っていた。一緒にごはん食べましょうみたいな、そんな可愛らしい会話ではなかったはず。
背中にぴったりと密着していれば、卯月さんはIHを一時停止させた。そしてこちらを振り向く気配。顔を上げれば、その漆黒の瞳がじっと私を捉えている。距離が近すぎて息が詰まりそうになる。