1話
「もちろん。何時頃に行けばいい?」
「何時に来れる?」
「20時頃なら大丈夫かな」
「じゃあ待ってる。……あ」
「うん?」
「アンタ、歳いくつ」
「21」
「じゃあ大丈夫か」
彼の肩から力が抜ける。未成年かどうかの確認をするあたり、真面目で常識のある人なんだなと思う。
だからこそ、すんなり話がまとまったことは意外だった。自分の中で勝算は五分五分だったから。
彼の頬のもみじ事情が女関連なのは、何となく察しがつく。恋人に振られたのか、もしくは喧嘩したのか、どちらなのかはまだ判断ができない。
ただの喧嘩なら、彼女がいることを前提に断られることも視野に入れていたけれど、でも彼は私の誘いに乗った。自棄を起こしているのかもしれない。
恋人がいる男とは遊ばないようにしてるけど、もし彼が恋人と別れた後なら、私が美味しく頂いても問題ないよね?
その辺は今晩、ちゃんと聞き出さなきゃ。
「ハンカチ、洗って返すから」
「え? いいですよ。そのままで」
「いや、さすがにそれは悪いから。部屋に来た時に返す」
律儀にハンカチの返却を申し出てくれた誠実さに少し驚く。こういう気遣いができる人は好きだなぁ、なんてポヤポヤした頭で考えてしまう。
とにかく連絡先はゲットした。彼の住所も判明した。会う約束も取り付けた。目的は達成したので、もう彼を留めておく必要はない。そう思い立ち上がると、僅かに腰に鈍痛を感じた。
忘れてたけど、身体の芯に怠さが残っていたことを思い出す。これ以上体を酷使するのはマズイ。名刺をポケットに仕舞いながら、彼に微笑み返した。
「それじゃあ、私はこれで」
「ああ」
「何時に来れる?」
「20時頃なら大丈夫かな」
「じゃあ待ってる。……あ」
「うん?」
「アンタ、歳いくつ」
「21」
「じゃあ大丈夫か」
彼の肩から力が抜ける。未成年かどうかの確認をするあたり、真面目で常識のある人なんだなと思う。
だからこそ、すんなり話がまとまったことは意外だった。自分の中で勝算は五分五分だったから。
彼の頬のもみじ事情が女関連なのは、何となく察しがつく。恋人に振られたのか、もしくは喧嘩したのか、どちらなのかはまだ判断ができない。
ただの喧嘩なら、彼女がいることを前提に断られることも視野に入れていたけれど、でも彼は私の誘いに乗った。自棄を起こしているのかもしれない。
恋人がいる男とは遊ばないようにしてるけど、もし彼が恋人と別れた後なら、私が美味しく頂いても問題ないよね?
その辺は今晩、ちゃんと聞き出さなきゃ。
「ハンカチ、洗って返すから」
「え? いいですよ。そのままで」
「いや、さすがにそれは悪いから。部屋に来た時に返す」
律儀にハンカチの返却を申し出てくれた誠実さに少し驚く。こういう気遣いができる人は好きだなぁ、なんてポヤポヤした頭で考えてしまう。
とにかく連絡先はゲットした。彼の住所も判明した。会う約束も取り付けた。目的は達成したので、もう彼を留めておく必要はない。そう思い立ち上がると、僅かに腰に鈍痛を感じた。
忘れてたけど、身体の芯に怠さが残っていたことを思い出す。これ以上体を酷使するのはマズイ。名刺をポケットに仕舞いながら、彼に微笑み返した。
「それじゃあ、私はこれで」
「ああ」