夜の静けさと湯気の向こう
「じゃあ私、シャワー浴びてくるね」
麦をタオルごと陸に手渡す。
陸はためらいなく受け取り、慎重に膝の上に乗せた。
日奈子が差し出した義弟の服は、やはり百八五センチの陸には少し窮屈そうだった。
ツンツンに短いスウェットの袖口から覗く、外科医らしい大きくて引き締まった手首。
無理に男物の服に体を押し込んでいる彼の佇まいには、どこか近寄りがたい『雄』の気配が漂っている。
タオルの隙間から、麦がぴょこんと顔を出した。
怯えた様子で陸を見上げていたが、彼の大きな手が顎の下をそっと撫で始めると、すぐにとろんとした表情になった。
喉がゴロゴロと幸せそうに鳴る。
(……やっぱり懐きすぎじゃない?)
日奈子は苦笑しつつも羨ましさを覚える。
濡れた髪のまま自分をじっと見つめてくる陸の、熱を孕んだ視線から逃げるようにリビングを後にした。
麦をタオルごと陸に手渡す。
陸はためらいなく受け取り、慎重に膝の上に乗せた。
日奈子が差し出した義弟の服は、やはり百八五センチの陸には少し窮屈そうだった。
ツンツンに短いスウェットの袖口から覗く、外科医らしい大きくて引き締まった手首。
無理に男物の服に体を押し込んでいる彼の佇まいには、どこか近寄りがたい『雄』の気配が漂っている。
タオルの隙間から、麦がぴょこんと顔を出した。
怯えた様子で陸を見上げていたが、彼の大きな手が顎の下をそっと撫で始めると、すぐにとろんとした表情になった。
喉がゴロゴロと幸せそうに鳴る。
(……やっぱり懐きすぎじゃない?)
日奈子は苦笑しつつも羨ましさを覚える。
濡れた髪のまま自分をじっと見つめてくる陸の、熱を孕んだ視線から逃げるようにリビングを後にした。