水族館デート
吹き抜けの天井が高い開放的な空間で、休日のお陰か多くの人々が行き交っている。
受付カウンターへ向かう途中、日奈子はパンフレットコーナーで一枚だけ手に取った。
それを眺めていると、ある文章が目に入る。
「……夜間営業?」
パンフレットに掲載されている情報を読み進めると、週末限定で「ナイトアクアリウム」なる夜間営業をしているらしい。
しかも「カップル割引」なんて項目まであった。
「夜間営業もしてるんだね。知らなかった」
つい口に出すと、隣で陸も同じ箇所を見ていた。
じっとカップル割の欄を見つめている。
長い睫が影を落としているその横顔がどこか深刻そうで、日奈子は不思議に思った。
「……ペアチケット……」
ぼそりと呟かれた言葉。
どうやらその部分だけが気になるらしい。
普段のポーカーフェイスからは想像できない執着ぶりだ。
陸の異変に日奈子が首を傾げると、彼は視線をパンフレットから日奈子の顔へ移した。
漆黒の瞳がまっすぐに日奈子を捕らえる。
「……水族館を回っていれば、じきに日が落ちる。今から入れば、夜の雰囲気も少し見られるかもしれない。でも――」
「……?」
「……今度は、最初から夜に来よう」
「え、今度……?」
唐突な提案に驚きの声が漏れる。
陸は迷いなく頷いた。
受付カウンターへ向かう途中、日奈子はパンフレットコーナーで一枚だけ手に取った。
それを眺めていると、ある文章が目に入る。
「……夜間営業?」
パンフレットに掲載されている情報を読み進めると、週末限定で「ナイトアクアリウム」なる夜間営業をしているらしい。
しかも「カップル割引」なんて項目まであった。
「夜間営業もしてるんだね。知らなかった」
つい口に出すと、隣で陸も同じ箇所を見ていた。
じっとカップル割の欄を見つめている。
長い睫が影を落としているその横顔がどこか深刻そうで、日奈子は不思議に思った。
「……ペアチケット……」
ぼそりと呟かれた言葉。
どうやらその部分だけが気になるらしい。
普段のポーカーフェイスからは想像できない執着ぶりだ。
陸の異変に日奈子が首を傾げると、彼は視線をパンフレットから日奈子の顔へ移した。
漆黒の瞳がまっすぐに日奈子を捕らえる。
「……水族館を回っていれば、じきに日が落ちる。今から入れば、夜の雰囲気も少し見られるかもしれない。でも――」
「……?」
「……今度は、最初から夜に来よう」
「え、今度……?」
唐突な提案に驚きの声が漏れる。
陸は迷いなく頷いた。