REBORN!

「あの扉の甘さはなんとかなんねーのか、ヴェルデ?」


不用心だと言わんばかりに勝手に部屋に入ってきたリボーンは言った。
招かざる訪問者の暴言に、モニターを眺めていたヴェルデは相手へと向き直った。


「どこが甘い? あれでも最高ランクのセキュリティーだ」
「あんな簡単に答えが分かる暗証番号でもか」

もう少し難易度を上げろとの理不尽な要求。
そんな相手にやれやれと言わんばかりにヴェルデは首を振った。

「君は私以外に扉を開ける者がないような設定をかけろと言っているのか? 随分と矛盾したことを言うものだ」
「矛盾してねーだろ、あれなら誰にでも開けられるぞ。不用心だろ」
「そもそも、その扉を勝手に開けようとするのは君ぐらいしかいない。そして、もし仮にそこにある扉が私以外に開けられないとなれば、君は実力行使で扉を破壊して入ってくるだろう?」

過去、あまりにも都合を考えずに訪問する相手を徹底的に門前払いをした。
その結果、待っていたのは相手の最も得意とする武器での扉の破壊だった。
実力行使での侵入が無かったとは言わせないと、ヴェルデは皮肉気に笑った。


「俺が来た時に開けねーお前が悪い」
「修繕費もバカにならないと覚えておいてもらえると嬉しいが? 君がその理論を掲げる限り私はその扉のセキュリティーを変えない。まあ、安心してくれたまえ。回答できるのは私と、君ぐらいの難易度には設定してある」
「だから毎回めんどくせー計算式にしてんのかよ」
「ふん、わざわざ君が発表した式を使ってやっているだけ感謝して欲しいものだ」



暗証番号
「やけに見覚えがある式をよく使うと思ってたが、遠回しの告白だったのか?」
「……君の思考回路と言うものを一度分析したいと、私は強く思う」


end
(2015/04/26)
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