REBORN!

「お前は、その頭脳を呪いを解くために使わないのか?」


その部屋の主に断り無くコーヒーを飲んでいたリボーンは目の前のヴェルデに聞いた。

「何故、そんな事をしなければならない?」

部屋の主であるヴェルデは、手を止めて今しがたまでの計算をやめる。

「これは呪いとは言わない、私に与えられた研究材料だ」
「本気で言ってんのかヴェルデ」
「本気だとも、君はご不満なようだがね」

不機嫌なリボーンを見ながらヴェルデは訊ねる。

「何をそんなに不満に思う? と、聞いたところで君は答えないだろうから、私が勝手に推測しよう」

ふむ、と口に手を当てて、さもおかしそうに考え出す。

「見た目は、前の君からすれば随分と可愛らしくなった……切れる様な凄まじい美男子だった君とすれば気になるところではある」

そう言ってからヴェルデは首を振り、いや違うと呟いた。


「しかし、君はそんな事は気にしない、現に今でも愛人は沢山いる、では何か、戦闘力、でも無い、子供扱い、でも無い、さて……君は何が不満なんだろうか……」


考えを言っては否定するヴェルデは少し目を瞑り黙った。
やがて、スッと目を開けると得意げに言った。

「これは推測だが、私の中では九割の確率で合っていると確信する考えだ」
「とっとと言え、お前は前置きが長い」
「失礼……私が推測するに、君は私とヤれなくなったから不満なのでは?」

ヴェルデがそう言った瞬間に、晴れの炎がこもった弾丸がヴェルデに向かって発砲された。


「おやおや、図星だからと言って、そう暴力に訴えるのはいけない」

特殊強化ガラスにより、ソレを防いだヴェルデは、やれやれと呆れた。

「恋とは……いや、性欲とはそこまで君を狂わせるものか」
「ゴチャゴチャと勝手な推測してんじゃねーぞヴェルデ」
「ふっ……まあ、これは推測だ、計算ミスもあるだろう」

ピョコリと椅子から降りたヴェルデはリボーンに向かい、ニヤリと笑いながら言った。


「コーヒーでもいかがかな?」



コーヒーブレイク
飲んでいたコーヒーは冷めていた。


end
(2010/03/31)
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