萌語り

◆手放した宝石は戻らない


バーソロミューに宝石を渡すようになった黒髭。
自分から提案した事とはいえ、たまに虚しくなる気もする関係。
それでも生前の女共よりはましかと何処かで安堵していた。

人理修復の役目が終わり、カルデアからサーヴァント達は撤収する。
カルデアの最古参で荷物が多い黒髭、オタグッズを整理中。
別れの挨拶とかそんな洒落た理由でバーソロミューが訪ね。
荷物整理に大わらわでバタバタと黒髭が行動してれば。
「君の荷物が私の部屋にある、後で勝手に持っていくといい」
何となくカチンと来るようなバーソロミューの物言いが聞こえ。
同人誌でも貸してましたっけ? と考えながらハイハイと雑に返事し。
その場でさっさと還るバーソロミューに、残された黒髭はふくれっ面になり。
もー! 言うだけ言って勝手な奴でござるな! とプンスカと怒り。

後でバーソロミューの部屋に行く黒髭。そこで錠前付の宝箱を見つける。
「えー忘れてったとか大ポカ過ぎません? 普通忘れます?」
まあ本人がいないですし? 忘れてった方が悪いと理由付けて。
思いっきり鍵ぶち壊して中身を拝見する黒髭。

当然のごとく、宝箱に入っていたのは煌びやかな宝石ばかりで。
どれもこれもアイツに渡した物で。
部屋にはそれ以外に荷物は無く。
バーソロミューが言っていたのはコレの事で。
何故残していったのか、理解することを頭が拒絶する。


(2020/01/19)
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