ヒロアカ
お昼休み
(オールマイト×相澤)
「相澤くん! こんな所で寝てると連れ去られちゃうぞ!」
廊下の片隅に転がる寝袋へと、しゃがみ込みながらオールマイトは覗き込んだ。
予想通りに寝袋の中にいた相澤の頬を軽く突くと、思い切り血走ったいつもの目を向けられた。
「……何ですか、オールマイトさん」
「お昼ご飯は食べたかい?」
「俺にはコレがあります」
寝袋から取り出したのはパウチ容器に入ったゼリー飲料。
それを一気に吸い込み、食事終了とばかりに相澤はまた目を閉じて寝始めた。
「うーん! 不健康的な栄養補給!!」
十秒飯どころか一秒以下飯。
一緒にお昼ご飯でも、と言う前にとられた超合理的食事。
すっかりと食後休みを始める相澤は起きそうになかった。
「よし! 私が教室まで運んでおいてあげよう!」
相澤の寝顔をしばらく眺め、ふと思いついた名案。
教室に運んでおけば授業開始のギリギリまで眠れる。
いい事を思い付いたとばかりに一頻り頷き、とても良い案だと自画自賛。
さっそくとばかりに寝袋を横抱きに持ち上げ、優々とオールマイトは廊下を歩き始めた。
数分後。
「……どういう状況か、説明してもらえますか、オールマイトさん」
「廊下を歩きだしたところまでは良かったはずなんだ、相澤くん」
いつの間にやら、寝袋ごと相澤を抱き上げたまま校舎を縦横無尽の散策。
原因としては、超有名人が騒がれることなく移動できる訳がない事を忘れていた為だった。
「降ろしてください。オールマイトさん」
「いや、私が責任を持って君を教室まで運んで」
「このまま運ばれる方が不合理です」
「…………」
暗に時間の無駄だと言われ、何も言い返せずにオールマイトは相澤を廊下へと降ろした。
モゾモゾと寝袋から出た相澤は、寝袋を持ちながら教室へと向かおうとした。
「――相澤くん」
若干、髪の先にすら元気のない様子で名前を呼ぶオールマイト。
足を止めて振り返った相澤は、珍しくも躊躇している相手を見上げた。
「何ですか、オールマイトさん?」
「明日は、一緒にお昼を食べないかい?」
「……コレでもいいですか?」
「せめて普通のご飯を食べよう!」
寝袋から出したパウチ容器に入ったゼリー飲料を見せる相澤にオールマイトは叫び。
いったい何個寝袋の中に入っているのかと疑問に思った。
end
(2014/11/05)
(オールマイト×相澤)
「相澤くん! こんな所で寝てると連れ去られちゃうぞ!」
廊下の片隅に転がる寝袋へと、しゃがみ込みながらオールマイトは覗き込んだ。
予想通りに寝袋の中にいた相澤の頬を軽く突くと、思い切り血走ったいつもの目を向けられた。
「……何ですか、オールマイトさん」
「お昼ご飯は食べたかい?」
「俺にはコレがあります」
寝袋から取り出したのはパウチ容器に入ったゼリー飲料。
それを一気に吸い込み、食事終了とばかりに相澤はまた目を閉じて寝始めた。
「うーん! 不健康的な栄養補給!!」
十秒飯どころか一秒以下飯。
一緒にお昼ご飯でも、と言う前にとられた超合理的食事。
すっかりと食後休みを始める相澤は起きそうになかった。
「よし! 私が教室まで運んでおいてあげよう!」
相澤の寝顔をしばらく眺め、ふと思いついた名案。
教室に運んでおけば授業開始のギリギリまで眠れる。
いい事を思い付いたとばかりに一頻り頷き、とても良い案だと自画自賛。
さっそくとばかりに寝袋を横抱きに持ち上げ、優々とオールマイトは廊下を歩き始めた。
数分後。
「……どういう状況か、説明してもらえますか、オールマイトさん」
「廊下を歩きだしたところまでは良かったはずなんだ、相澤くん」
いつの間にやら、寝袋ごと相澤を抱き上げたまま校舎を縦横無尽の散策。
原因としては、超有名人が騒がれることなく移動できる訳がない事を忘れていた為だった。
「降ろしてください。オールマイトさん」
「いや、私が責任を持って君を教室まで運んで」
「このまま運ばれる方が不合理です」
「…………」
暗に時間の無駄だと言われ、何も言い返せずにオールマイトは相澤を廊下へと降ろした。
モゾモゾと寝袋から出た相澤は、寝袋を持ちながら教室へと向かおうとした。
「――相澤くん」
若干、髪の先にすら元気のない様子で名前を呼ぶオールマイト。
足を止めて振り返った相澤は、珍しくも躊躇している相手を見上げた。
「何ですか、オールマイトさん?」
「明日は、一緒にお昼を食べないかい?」
「……コレでもいいですか?」
「せめて普通のご飯を食べよう!」
寝袋から出したパウチ容器に入ったゼリー飲料を見せる相澤にオールマイトは叫び。
いったい何個寝袋の中に入っているのかと疑問に思った。
end
(2014/11/05)