ググコク

庭の茂みから微かに見える、黒髪のおかっぱ。
アニマル姿の信楽は狙いを定め、音を立てないようジリジリと近づいた。


「見つけたぜ嬢ちゃん!」

バッ、と茂みをかき分け、発見したことを信楽は宣言した。


「何ッ!? 嬢ちゃんじゃないだと!?」


見つけたと思った相手は、こひな等身大フィギュアby狗神作。
驚愕した瞬間、後ろから聞こえたのは蹴り飛ばされる缶の音。
後ろをバッと振り返れば、勝利宣言をするように堂々と庭に立つこひな。

「卑怯だぞ嬢ちゃん! 等身大フィギュアは無いだろ!?」
「どんな手をつかおうが……最終的に、勝てばよかろうなのでありませう!!」
「あァァァんまりだァァアァ」

泣き叫ぶ信楽と勝利を勝ち取ったこひな。
縁側からその様子を見ていたコックリさんは、ノリがついていけなかった。


「何やってんだよ二人で」
「缶蹴りでありませうコックリさん」
「なんだよ、缶蹴りなら二人でやるより大勢の方が楽しいだろ?」


なんで入れてくれなかったのかと拗ねるコックリさん。
そんな相手に、信楽はキリッとした顔で警告した。


「狐。缶蹴りってのは一対一の真剣勝負だ」
「そうでありませう。真剣勝負は一対一でありませう」
「俺の知ってる缶蹴りと違う!?」



遊びじゃない
「では、おじさん。コックリさんの情報を提供してください」
「くっそー、今度こそ勝って狐の写真をゲットできると思ったのになぁ」
「俺の情報と写真を賭けてたのかよ!?」


end
(2014/01/27)
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