「おい、信楽！　ベタベタ、ベタベタと人の毛皮撫でるな!!」
「いやほら、丁度いい位置にいるから、な？」
「一人で寂しく酒でも飲んでろよ！」
「狐。おじさんはなぁ、寂しいと死ぬんだよ」
「兎かお前は!?」

コタツの反対側でイチャイチャとしている自覚のない獣達。
ズルズルとカップめんを啜っていたこひなは、動じることなくその様子を眺めていた。


「どちらかと言うと淫獣でありませう」

人形は動じない、と呪文のように唱えながらこひなはカップめんを啜り続け。
こひなの隣をキープしていた狗神は、きゅるんと可愛げに首を傾げた。


「むしろ、そのまま寂しくて死んでいただいた方がいいのでは？」


end
旧：拍手文
(2013/1/2～2/11)