ググコク
「この台所は聖域だ、この台所には這い寄る混沌はいない!」
「おーい、その呪文、今さっきそこをカサカサと横切ったのを見ても言えるのか」
「きゃぁあああ!! 助けろ信楽!」
「おじさん、男に頼まれても……あ、女体化して頼むなら張り切っちゃうぜ、別の意味でも」
「この外道!!」
「そうこう言ってるうちに這い寄る混沌が近づいて来るな」
「うっ……く…!!」
「そして、コックリさんは何かに屈服したようにゆっくりと目を閉じ、体を小刻みに震わせながらおじさんから一歩離れたのでありませう」
「おい、こひな……」
「次の瞬間には控えめな煙が辺りを覆い、それがはれるとそこには――」
「こひな! おい、こひな!! 聞こえてるんだろ!?」
「何ですか、コックリさん?」
「何を語ってるんだよ」
「『逢魔ヶ刻に行われた獣たちのいけない戯れ』、事実を元にした話でありませう」
「微妙にアレなタイトルっぽくするなよ!? そして狗神! お前も何そこで聞き入れてるんだ!!」
「我が君の口から語られる物語なら、題材が何であれ最高の物語だからです。録音機及び照明、カメラで死角なく、余すところなく我が君を撮り。その後に保存用・観賞用・バックアップ各100個を作るに決まっているでしょう!」
「決まってるかそんなもの!」
相手の顔面へと右ストレートを決め、コックリさんは周囲の機器を破壊しつくした。
「でも、コックリさんが夕飯を作る時におじさんに助けを求めていた声は聞こえました。その後、無事に夕飯が出てきたのでコックリさんは魂を売ったのでありませう」
「売ってない! そもそも、俺が女体化をしない理由の半分以上の原因はあいつのせいだ! 長屋にいた頃、買い物でちょっとおまけしてもらうために女体化して出かけてそのまま戻ったら、いきなり口説きながら押し倒してきたんだぞ!?」
「では、おじさんはコックリさんの女体化した姿をみたのですね?」
こひなはいつの間にか近くにいた信楽へと話を振った。
タバコをふかしていた信楽は思い出したように相槌を打った。
「あーそんな事もあったな」
「どんな感じだったのでありませうか?」
「狐は化けると傾国の美姫の通説まんまで――」
「言うな!!」
イニシャルG劇場
「それから、『逢魔ヶ刻に行われた獣たちのいけない戯れ』の真相は結局なんなのですか?」
「だから、そのタイトルは止めなさい!」
end
(2012/09/16)
「おーい、その呪文、今さっきそこをカサカサと横切ったのを見ても言えるのか」
「きゃぁあああ!! 助けろ信楽!」
「おじさん、男に頼まれても……あ、女体化して頼むなら張り切っちゃうぜ、別の意味でも」
「この外道!!」
「そうこう言ってるうちに這い寄る混沌が近づいて来るな」
「うっ……く…!!」
「そして、コックリさんは何かに屈服したようにゆっくりと目を閉じ、体を小刻みに震わせながらおじさんから一歩離れたのでありませう」
「おい、こひな……」
「次の瞬間には控えめな煙が辺りを覆い、それがはれるとそこには――」
「こひな! おい、こひな!! 聞こえてるんだろ!?」
「何ですか、コックリさん?」
「何を語ってるんだよ」
「『逢魔ヶ刻に行われた獣たちのいけない戯れ』、事実を元にした話でありませう」
「微妙にアレなタイトルっぽくするなよ!? そして狗神! お前も何そこで聞き入れてるんだ!!」
「我が君の口から語られる物語なら、題材が何であれ最高の物語だからです。録音機及び照明、カメラで死角なく、余すところなく我が君を撮り。その後に保存用・観賞用・バックアップ各100個を作るに決まっているでしょう!」
「決まってるかそんなもの!」
相手の顔面へと右ストレートを決め、コックリさんは周囲の機器を破壊しつくした。
「でも、コックリさんが夕飯を作る時におじさんに助けを求めていた声は聞こえました。その後、無事に夕飯が出てきたのでコックリさんは魂を売ったのでありませう」
「売ってない! そもそも、俺が女体化をしない理由の半分以上の原因はあいつのせいだ! 長屋にいた頃、買い物でちょっとおまけしてもらうために女体化して出かけてそのまま戻ったら、いきなり口説きながら押し倒してきたんだぞ!?」
「では、おじさんはコックリさんの女体化した姿をみたのですね?」
こひなはいつの間にか近くにいた信楽へと話を振った。
タバコをふかしていた信楽は思い出したように相槌を打った。
「あーそんな事もあったな」
「どんな感じだったのでありませうか?」
「狐は化けると傾国の美姫の通説まんまで――」
「言うな!!」
イニシャルG劇場
「それから、『逢魔ヶ刻に行われた獣たちのいけない戯れ』の真相は結局なんなのですか?」
「だから、そのタイトルは止めなさい!」
end
(2012/09/16)
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