イリレア

判断レベル
(アク+フク)


「カワサキは面食いなのか?」
「アクセル。それは普通、本人に訊かないか?」
「無意識下で判断しているものを本人が認めると思うのか、フクメン」


真面目に言うアクセルの言葉に、それもそうかと納得したが、フクメンは首を傾げた。


「カワサキが面食いなぁ……まず、何をもってそう思った?」
「ロマンスに対する態度がオレに対するのより甘かった」
「ロマンス?」
「ヴァカンスの時に会いに行った。古い友人だ」
「なんだ? 美人なのか」
「人の基準ではそう言えるのであろう」
「人の基準なら、お前も十分美人の部類だろ」


多少黙っていればの条件付きではあるが、遠目で見る分には外見は美少年。
フクメンには、吸血鬼には美形しかいないのかと思うほどだった。


「それにしても、カワサキが面食いか。まあ、酒の席でオレの事も、渋くてカッコイイですって言ってたからな」


納得できる部分は多分にある、と頷くフクメン。
それに対し、アクセルは全く納得がいかない様子でフクメンを見た。



「……酒に酔った時の言動は無効ではないか?」
「あいつは酒入ったら普段思ってる事素直に言う方だぜ?」
「では分かった。カワサキは面食いではない」
「何でそう決めつけるんだよ。有力情報だっただろ?」
「ああ、有力ではあった。顔のパーツを目と口があれば同じと判断していると十分に分かった」


ロマンスの件も、こちらの勘違いだったようだ、とアクセルは締めくくった。


end
(2014/06/04)
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