イリレア
洒落じゃない
(フクカワ)
「カワサキ。お前、借金が718万なんだって?」
「フッ…フクメンさん!? 何処でソレを!!」
「さっきナヴィから聞いた」
「あの野郎…!」
口軽すぎだろッ、と憤るカワサキ。
借金の事を口にしたフクメンは呆れたように聞いた。
「お前なぁ、ギャンブルも程々にしとけって言っただろ?」
「いや、あの……当たりそうだったんすよ」
「何百回目の当たりそうだったんだ?」
「…………」
うな垂れるカワサキは、反省といったていだった。
相手を見ていたフクメンは、頭を掻きながら大きなため息を吐いた。
「借金が夢の1000万達成する日も近そうだな」
「うっ……」
「あんま借金デカくし過ぎて体売るような事になるなよ? カワサキ」
「体って…!? オレそこまで落ちぶれないっすよ先輩!」
顔を赤くし、後ずさりながら両手で体を抱きしめるカワサキは慌てた様子で叫んだ。
何となく何を想像して顔を赤くしてるのかが分かったフクメンは、落ち着いた調子で言葉を足した。
「体売るって内臓系の話だからな?」
「そ……そうっすよね!」
明らかに動揺しながらも、誤魔化す様にカワサキは乾いた声で笑った。
「でも、気をつけろよカワサキ? 718万とか借金として洒落にならない額だからな」
「わ、分かってますよ……」
「体の中身売る前に、自棄になって他人に遊ばせるとかも考えるなよ?」
「しませんて!」
「どうしても切羽詰まったら、客とる前にオレの所に来いよ? カワサキ」
「だからッ、客とかそう言う…………って、ん?」
サラッと流しそうになった言葉に引っかかりを覚え、カワサキはフクメンを凝視した。
「ま、色々言いたいが、今日はこれぐらいにしとくか」
「はっ?」
「いいか? カワサキ。さっきの言葉よく覚えとけよ?」
「あの、えー……フクメンさん」
先ほどのはどういう意味ですか、と何故か丁寧語で質問しようとした矢先。
既にフクメンは歩き出していた。
「じゃ、仕事に戻るか」
「えっ?! いやッ、そんなアッサリ行こうとしないでくださいよ!?」
「いいんだよ。話は終わっただろ?」
「全然終わってないんすけど!?」
疑問だけ残していこうとしないでください、と叫ぶカワサキの声だけがその場に響き。
最大級の爆弾発言をしたフクメンは、さっさとその場を後にしていた。
end
(2014/06/04)
(フクカワ)
「カワサキ。お前、借金が718万なんだって?」
「フッ…フクメンさん!? 何処でソレを!!」
「さっきナヴィから聞いた」
「あの野郎…!」
口軽すぎだろッ、と憤るカワサキ。
借金の事を口にしたフクメンは呆れたように聞いた。
「お前なぁ、ギャンブルも程々にしとけって言っただろ?」
「いや、あの……当たりそうだったんすよ」
「何百回目の当たりそうだったんだ?」
「…………」
うな垂れるカワサキは、反省といったていだった。
相手を見ていたフクメンは、頭を掻きながら大きなため息を吐いた。
「借金が夢の1000万達成する日も近そうだな」
「うっ……」
「あんま借金デカくし過ぎて体売るような事になるなよ? カワサキ」
「体って…!? オレそこまで落ちぶれないっすよ先輩!」
顔を赤くし、後ずさりながら両手で体を抱きしめるカワサキは慌てた様子で叫んだ。
何となく何を想像して顔を赤くしてるのかが分かったフクメンは、落ち着いた調子で言葉を足した。
「体売るって内臓系の話だからな?」
「そ……そうっすよね!」
明らかに動揺しながらも、誤魔化す様にカワサキは乾いた声で笑った。
「でも、気をつけろよカワサキ? 718万とか借金として洒落にならない額だからな」
「わ、分かってますよ……」
「体の中身売る前に、自棄になって他人に遊ばせるとかも考えるなよ?」
「しませんて!」
「どうしても切羽詰まったら、客とる前にオレの所に来いよ? カワサキ」
「だからッ、客とかそう言う…………って、ん?」
サラッと流しそうになった言葉に引っかかりを覚え、カワサキはフクメンを凝視した。
「ま、色々言いたいが、今日はこれぐらいにしとくか」
「はっ?」
「いいか? カワサキ。さっきの言葉よく覚えとけよ?」
「あの、えー……フクメンさん」
先ほどのはどういう意味ですか、と何故か丁寧語で質問しようとした矢先。
既にフクメンは歩き出していた。
「じゃ、仕事に戻るか」
「えっ?! いやッ、そんなアッサリ行こうとしないでくださいよ!?」
「いいんだよ。話は終わっただろ?」
「全然終わってないんすけど!?」
疑問だけ残していこうとしないでください、と叫ぶカワサキの声だけがその場に響き。
最大級の爆弾発言をしたフクメンは、さっさとその場を後にしていた。
end
(2014/06/04)