イリレア
酒盛り
(フクカワ)
「そこに転がるカワサキは、酒の限度と言うものを知らないのか?」
「いや。酒癖が悪いからオレの分まで飲ませて先に潰す方が安全なんだよ」
フクメンの膝を枕代わりに、一頻り唸りながらダウンするカワサキ。
カワサキを見下ろしながら答えたフクメンは全くの素面だった。
「そんなに酒癖が悪いのか?」
「絡み酒で他人の所に行くからな」
困った奴だ、と言わんばかりに溜息をつきながらフクメンはカワサキの頭を撫でた。
酒を飲む場で全く食事や酒に手をつけず、部下に構う様は一種異様な光景だった。
「フクメン」
「何だアクセル?」
「酔い潰れた部下を膝に乗せるのは、人の間では普通と言えるのか?」
「まさか。そんな事してたら、膝が足りない上にせっかくのスーツがゲロだらけになるだろ」
「そうか」
ならば、何故カワサキだけは特別なのか、とは訊かなかった。
代わりに、アクセルは忠告を口にするだけにしておいた。
「いつかセクハラで訴えられるような品のない事だけにはなるなよ、フクメン」
「可愛い部下を介抱するような優しい上司を、カワサキが訴えるかよ」
「……ならいいがな」
end
(2014/05/19)
(フクカワ)
「そこに転がるカワサキは、酒の限度と言うものを知らないのか?」
「いや。酒癖が悪いからオレの分まで飲ませて先に潰す方が安全なんだよ」
フクメンの膝を枕代わりに、一頻り唸りながらダウンするカワサキ。
カワサキを見下ろしながら答えたフクメンは全くの素面だった。
「そんなに酒癖が悪いのか?」
「絡み酒で他人の所に行くからな」
困った奴だ、と言わんばかりに溜息をつきながらフクメンはカワサキの頭を撫でた。
酒を飲む場で全く食事や酒に手をつけず、部下に構う様は一種異様な光景だった。
「フクメン」
「何だアクセル?」
「酔い潰れた部下を膝に乗せるのは、人の間では普通と言えるのか?」
「まさか。そんな事してたら、膝が足りない上にせっかくのスーツがゲロだらけになるだろ」
「そうか」
ならば、何故カワサキだけは特別なのか、とは訊かなかった。
代わりに、アクセルは忠告を口にするだけにしておいた。
「いつかセクハラで訴えられるような品のない事だけにはなるなよ、フクメン」
「可愛い部下を介抱するような優しい上司を、カワサキが訴えるかよ」
「……ならいいがな」
end
(2014/05/19)