断片話
◆短冊
(アクカワ)
「これがタナバタと言うものか」
初めて見る七夕飾りを前に、アクセルは感心したように呟いた。
東洋のイベントを取り入れた警察署のロビーは、とても華やかだった。
アクセルの反応に、連れだって歩いていたカワサキは軽く驚いた。
「何だよ、タナバタ知らなかったのか?」
「ああ、初めて見た」
何をするイベントなのかさえも知らないと続けるアクセル。
妙な所で世間ズレを起こす相手に、呆れた調子でカワサキはため息を吐いた。
仕方なくご自由にどうぞと置かれていた短冊を手に取り、アクセルへと渡した。
「これは、何だ?」
「それに願い事書いて、竹に吊るすんだよ」
そうすれば願いが叶うかもしれないイベントだ、とかなり省略をした説明をするカワサキ。
その説明を受けたアクセルは、暫く短冊を眺め、カワサキを見上げた。
「貴様も書いたのか?」
「あー……まぁな」
どこら辺に飾ったとも、何の願いを書いたとも言わず、目を逸らすカワサキ。
何かがあると直感したアクセルは、目を逸らしたカワサキを見つめ、口の端を上げた。
「ほぉ……では、探すとするか」
カワサキの短冊を、端から探す気満々で竹へとツカツカと近付くアクセル。
その行動に、驚いた様子で慌ててカワサキは止めに入った。
「待て待て! プライバシーの侵害だろソレは!?」
「公共の場で飾られている物を見るのに、プライバシーも何もないだろう?」
「他人に見られて恥ずかしい願いとかも、もしかしたらあるかもしれないだろ!!」
「大勢に見られることが前提の物でか?」
「うっ…それは……そうだけどよぉ……」
「それとも、見られて恥ずかしい願いとやらを書いたのか?」
(2014/07/07)
(アクカワ)
「これがタナバタと言うものか」
初めて見る七夕飾りを前に、アクセルは感心したように呟いた。
東洋のイベントを取り入れた警察署のロビーは、とても華やかだった。
アクセルの反応に、連れだって歩いていたカワサキは軽く驚いた。
「何だよ、タナバタ知らなかったのか?」
「ああ、初めて見た」
何をするイベントなのかさえも知らないと続けるアクセル。
妙な所で世間ズレを起こす相手に、呆れた調子でカワサキはため息を吐いた。
仕方なくご自由にどうぞと置かれていた短冊を手に取り、アクセルへと渡した。
「これは、何だ?」
「それに願い事書いて、竹に吊るすんだよ」
そうすれば願いが叶うかもしれないイベントだ、とかなり省略をした説明をするカワサキ。
その説明を受けたアクセルは、暫く短冊を眺め、カワサキを見上げた。
「貴様も書いたのか?」
「あー……まぁな」
どこら辺に飾ったとも、何の願いを書いたとも言わず、目を逸らすカワサキ。
何かがあると直感したアクセルは、目を逸らしたカワサキを見つめ、口の端を上げた。
「ほぉ……では、探すとするか」
カワサキの短冊を、端から探す気満々で竹へとツカツカと近付くアクセル。
その行動に、驚いた様子で慌ててカワサキは止めに入った。
「待て待て! プライバシーの侵害だろソレは!?」
「公共の場で飾られている物を見るのに、プライバシーも何もないだろう?」
「他人に見られて恥ずかしい願いとかも、もしかしたらあるかもしれないだろ!!」
「大勢に見られることが前提の物でか?」
「うっ…それは……そうだけどよぉ……」
「それとも、見られて恥ずかしい願いとやらを書いたのか?」
(2014/07/07)