断片話

◆うやむや
(カワサキ受け)

「ロマンス、一つ質問がある」
「何だい?」

君がそんなに真剣に質問するなんていつ以来だろうね、とロマンスは笑った。

「オレが来た時、何故扉を閉めていた」
「君は来るなんて一言も言わなかっただろ?」
「……質問を変える。カワサキに何をする積りだった」
「彼とは話しをしていただけだよ。その後すぐに君が来たから」
「オレが来なかったらどうしていた?」

扉は閉まっていた、だから蹴破った。
あのまま、もしカワサキだけがロマンスの前にいたら――

「もう一度訊く。カワサキに何をする積りだった」
「……君は、昔に比べてほんの少し賢くなったね。まぁ、元がバカだったから微々たるものだけど」
「元々バカではない」
「ボクにどう答えて欲しいのかな? アクセル」

答えなら、いくらでも用意しているよ、と食えない調子で言うロマンスは心底楽しげだった。


(2014/05/26)
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