イリレア
通勤中
(アクカワ)
「毎度毎度、何でオレが迎えに行かないといけないんだよ!」
「仕方なかろう? 場所が分かりにくいのが悪い」
「致命的な方向音痴は黙ってろ!!」
何でオレが、とブチブチと文句を言いながらアクセルの隣をカワサキは歩いた。
「フクメンさんも、自分で迎えに行かずにオレに頼むってのもどうなんだよ」
「フクメンは多忙だと言っていた」
「オレだって暇じゃねぇよ!」
いちいち神経を逆なでするなと怒鳴りながら、カワサキは憤慨した。
怒鳴りつけられる声を受け流しながら、アクセルはふと立ち止まった。
「今日は一段と、天には光が溢れる」
「は? ……あー、日差しが強いってか?」
「こうも光の中にいると」
「いると、何だよ?」
「棺に戻りたくなる」
「二度寝宣言か!!」
立ち止まり優雅にのんびりとするアクセルの首根っこを掴まえ。
カワサキはズカズカと歩き出した。
「引きずってでも行くからな!」
「既に引きずっているぞ」
ズルズルと引きずられ、空を眺めながら、こんな通勤も悪くはないとアクセルは思った。
end
(2014/04/08)
(アクカワ)
「毎度毎度、何でオレが迎えに行かないといけないんだよ!」
「仕方なかろう? 場所が分かりにくいのが悪い」
「致命的な方向音痴は黙ってろ!!」
何でオレが、とブチブチと文句を言いながらアクセルの隣をカワサキは歩いた。
「フクメンさんも、自分で迎えに行かずにオレに頼むってのもどうなんだよ」
「フクメンは多忙だと言っていた」
「オレだって暇じゃねぇよ!」
いちいち神経を逆なでするなと怒鳴りながら、カワサキは憤慨した。
怒鳴りつけられる声を受け流しながら、アクセルはふと立ち止まった。
「今日は一段と、天には光が溢れる」
「は? ……あー、日差しが強いってか?」
「こうも光の中にいると」
「いると、何だよ?」
「棺に戻りたくなる」
「二度寝宣言か!!」
立ち止まり優雅にのんびりとするアクセルの首根っこを掴まえ。
カワサキはズカズカと歩き出した。
「引きずってでも行くからな!」
「既に引きずっているぞ」
ズルズルと引きずられ、空を眺めながら、こんな通勤も悪くはないとアクセルは思った。
end
(2014/04/08)
1/6ページ