断片話

◆破棄
(Ⅳ+トロ)

「俺は……あんたの為にこれまでつくしてきたんだ」
「そうだね。その点に関しては感謝してるよ、Ⅳ」
「なら、何で凌牙なんだ!?」
「言っただろう? フェイカーに対抗するためには君じゃ力不足なんだよ」

事実だけを紡ぐように言うトロン。
その言葉に、一瞬顔を歪めたⅣは相手の服を掴んだ。

「捨てないでくれ…ッ! ⅢもⅤも俺もあんたの命令にずっと従ってきただろ!?」

縋るような目で見てくるⅣに対し、トロンは自分の服を掴む手を優しく手に取り、振り払った。

「おやすみ、Ⅳ。もう君達はいらないんだよ」


(2012/05/29)
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