断片話
◆外出後
(ⅣⅣ)
「勝手に外に出てんじゃねぇよテメェ!!」
「いやぁ、実に有意義な時間でしたよ。一番のファンにも会えましたし」
ニヤニヤと笑うもう一人のⅣの胸ぐらを掴み、Ⅳは相手を睨みつけた。
一番のファンと言えるのは、自分の中で一人しかいない。
「凌牙に、会ったのか」
確認するように問えば、もう一人のⅣは一層笑みを深めて問い返してきた。
「――気になりますか?」
「何でテメェだけが凌牙に会ってんだよ!」
「何に対して怒っているのかは分かりませんが、暴力はいけません」
「あいつは俺の物だ!」
「残念ですねぇ、その点に関しては私も一緒ですよ。私もⅣですから」
もっとも、と言葉を区切ってもう一人のⅣは自分の胸ぐらを掴んでいる手を掴み返した。
空いている方の手でⅣの頬を撫でたもう一人のⅣは完璧な笑顔で言い切った。
「今の私は、『自分』が一番可愛いと思っていますけど」
「――ッ!?」
(2012/04/20)
(ⅣⅣ)
「勝手に外に出てんじゃねぇよテメェ!!」
「いやぁ、実に有意義な時間でしたよ。一番のファンにも会えましたし」
ニヤニヤと笑うもう一人のⅣの胸ぐらを掴み、Ⅳは相手を睨みつけた。
一番のファンと言えるのは、自分の中で一人しかいない。
「凌牙に、会ったのか」
確認するように問えば、もう一人のⅣは一層笑みを深めて問い返してきた。
「――気になりますか?」
「何でテメェだけが凌牙に会ってんだよ!」
「何に対して怒っているのかは分かりませんが、暴力はいけません」
「あいつは俺の物だ!」
「残念ですねぇ、その点に関しては私も一緒ですよ。私もⅣですから」
もっとも、と言葉を区切ってもう一人のⅣは自分の胸ぐらを掴んでいる手を掴み返した。
空いている方の手でⅣの頬を撫でたもう一人のⅣは完璧な笑顔で言い切った。
「今の私は、『自分』が一番可愛いと思っていますけど」
「――ッ!?」
(2012/04/20)