断片話
◆ⅤⅣ
開いていた本の間に落とされた箱を眺め、視線を上げた。
目の間に立ちニヤニヤとした笑みを浮かべるⅣは上機嫌そうに此方を見下ろしていた。
「どうせ誰からも貰えない事が決定してる兄貴に、俺がファンから貰ったチョコを恵んでやるよ」
「ファンから貰った物を、粗末にするな」
有効利用と言ってくれよ、と大げさな態度で皮肉げにⅣは言った。
「捨てられるよりはましだろ? まぁ、食いたくなきゃ捨てろよ。何が入ってるか分からないからなぁ」
(2012/02/14)
◆Ⅳ+Ⅲ
「いいか、Ⅲ。なるべく市販のやつだけ選んで食べろよ?」
「兄様、そこまで警戒するぐらいなら始めから全部捨てた方が…」
「もったいないだろ。トロンの茶菓子に出しても怒られそうにないバカ高いチョコも混ざってるんだぞ!?」
「玉石混淆すぎてちょっと怖いです、Ⅳ兄様……」
(2012/02/14)
◆Ⅳ+遊+Ⅲ
「チビをチビって言って何が悪いんだ?」
「身長ぐらいかっとビングで越して見せる!!」
「ほぉ、越してみろよ? 何十年後だろうなぁ」
あからさまに馬鹿にした態度で遊馬の頭をポフポフと撫でるⅣ。
そんなⅣの行動に、Ⅲはため息を吐いた。
「大人気ないですよ、Ⅳ兄様。兄様の身長ぐらいなら僕にだってすぐに追い越せるのに」
「おい、ちょっと待てⅢ」
聞き捨てならない事言いやがっただろ、とⅣは振り返ってⅢを睨みつけた。
「どうかしましたか、兄様?」
「ニッコリ笑って誤魔化すんじゃねぇよ」
(2012/02/15)
◆Ⅲ+Ⅳ
「待ってくださいⅣ兄様!! 凌牙が兄様にプレゼントをするなんて何かあるに決まってます!」
「罠でもいいに決まってるだろ! あれが何か分かってるのかⅢ!?」
「ギミック・パペット‐ベビーフェイスです」
正確にはカードの方ではなく、実物の人形。
「理由はそれで十分なんだよ」
「兄様! 自分の部屋にどれだけ人形があると思ってるんですか!!」
「人形はどれだけあってもいいんだよ! 可愛いだろ!?」
「えっ、と……Ⅳ兄様がですか?」
「――何で俺になるんだ?」
「文法的に人形を持ってる兄様が可愛いのかと」
「『人形が』に決まってんだろ!!」
俺が可愛く見えたら末期症状だぞ、と続けて言うⅣ。
一瞬でもそう考えた自分は末期なのかとⅢは軽くショックを受けた。
(2012/02/18)
◆Ⅲ+Ⅳ
「Ⅳ兄様、今回だけは断ってください」
真剣な表情で引き留めるⅢに、Ⅳは何をいまさらと呆れた。
「断る理由がないだろ」
「でもッ!」
「いいか、Ⅲ。スターはファンに全てを捧げるもんなんだよ」
「Ⅳ兄様、それでも……」
Ⅳから目を逸らしたい衝動を抑えながらⅢは勇気を振り絞って叫んだ。
「猫耳を付けてファンの前に出るなんて正気の沙汰じゃありません!」
「今日がネコの日だから仕方ねぇだろ! 主催側から言われたんだよ!!」
決して俺の趣味じゃねぇと断言するⅣに、涙目でⅢは必死に止めた。
「考え直してくださいⅣ兄様!!」
(2012/02/22)
開いていた本の間に落とされた箱を眺め、視線を上げた。
目の間に立ちニヤニヤとした笑みを浮かべるⅣは上機嫌そうに此方を見下ろしていた。
「どうせ誰からも貰えない事が決定してる兄貴に、俺がファンから貰ったチョコを恵んでやるよ」
「ファンから貰った物を、粗末にするな」
有効利用と言ってくれよ、と大げさな態度で皮肉げにⅣは言った。
「捨てられるよりはましだろ? まぁ、食いたくなきゃ捨てろよ。何が入ってるか分からないからなぁ」
(2012/02/14)
◆Ⅳ+Ⅲ
「いいか、Ⅲ。なるべく市販のやつだけ選んで食べろよ?」
「兄様、そこまで警戒するぐらいなら始めから全部捨てた方が…」
「もったいないだろ。トロンの茶菓子に出しても怒られそうにないバカ高いチョコも混ざってるんだぞ!?」
「玉石混淆すぎてちょっと怖いです、Ⅳ兄様……」
(2012/02/14)
◆Ⅳ+遊+Ⅲ
「チビをチビって言って何が悪いんだ?」
「身長ぐらいかっとビングで越して見せる!!」
「ほぉ、越してみろよ? 何十年後だろうなぁ」
あからさまに馬鹿にした態度で遊馬の頭をポフポフと撫でるⅣ。
そんなⅣの行動に、Ⅲはため息を吐いた。
「大人気ないですよ、Ⅳ兄様。兄様の身長ぐらいなら僕にだってすぐに追い越せるのに」
「おい、ちょっと待てⅢ」
聞き捨てならない事言いやがっただろ、とⅣは振り返ってⅢを睨みつけた。
「どうかしましたか、兄様?」
「ニッコリ笑って誤魔化すんじゃねぇよ」
(2012/02/15)
◆Ⅲ+Ⅳ
「待ってくださいⅣ兄様!! 凌牙が兄様にプレゼントをするなんて何かあるに決まってます!」
「罠でもいいに決まってるだろ! あれが何か分かってるのかⅢ!?」
「ギミック・パペット‐ベビーフェイスです」
正確にはカードの方ではなく、実物の人形。
「理由はそれで十分なんだよ」
「兄様! 自分の部屋にどれだけ人形があると思ってるんですか!!」
「人形はどれだけあってもいいんだよ! 可愛いだろ!?」
「えっ、と……Ⅳ兄様がですか?」
「――何で俺になるんだ?」
「文法的に人形を持ってる兄様が可愛いのかと」
「『人形が』に決まってんだろ!!」
俺が可愛く見えたら末期症状だぞ、と続けて言うⅣ。
一瞬でもそう考えた自分は末期なのかとⅢは軽くショックを受けた。
(2012/02/18)
◆Ⅲ+Ⅳ
「Ⅳ兄様、今回だけは断ってください」
真剣な表情で引き留めるⅢに、Ⅳは何をいまさらと呆れた。
「断る理由がないだろ」
「でもッ!」
「いいか、Ⅲ。スターはファンに全てを捧げるもんなんだよ」
「Ⅳ兄様、それでも……」
Ⅳから目を逸らしたい衝動を抑えながらⅢは勇気を振り絞って叫んだ。
「猫耳を付けてファンの前に出るなんて正気の沙汰じゃありません!」
「今日がネコの日だから仕方ねぇだろ! 主催側から言われたんだよ!!」
決して俺の趣味じゃねぇと断言するⅣに、涙目でⅢは必死に止めた。
「考え直してくださいⅣ兄様!!」
(2012/02/22)