断片話
◆ⅢⅣ
Ⅳ兄様、僕だけのⅣ兄様。
本当はⅣ兄様が誰にも愛されなくてもいいんです。
僕だけが兄様を愛してあげますから。
だから、僕以外の事を考えないでください。
ファンの事も、凌牙の事も、トロンもⅤ兄様の事も。
そうすれば、ずっと兄様の遊びに付き合ってあげます。
Ⅳ兄様が大好きな、家族ごっこに。
「世界中の誰よりも、僕はⅣ兄様が好きだよ」
(2012/01/11)
◆Ⅳ+Ⅲ
「Ⅲ……喉がいてぇ、体が怠い」
「Ⅳ兄様。自業自得と言う言葉を知ってますか?」
「知るかそんなもん」
ゲホゲホと咳をしながらⅣは不貞腐れたように返答した。
「インフルエンザが流行ってる時に、調子に乗ってファンと握手会をするからそうなるんです」
「予定に入れたのは誰だ、Ⅲ……」
「Ⅳ兄様。トロンの命令は絶対だよ? それに、予防なんていくらでも方法はあったのに」
やらない方が悪い、と締めくくったⅢはⅣの額に置かれていたタオルを交換した。
「マスクしたままファンに会えってのかよ」
「そう言う所で兄様は変に律儀ですね」
「俺はファンサービスは全力でやるんだよ」
「それで風邪をひいていたら世話はありませんよ、Ⅳ兄様」
(2012/01/13)
◆ⅤⅣ
酸欠状態の此方に構いもしないで口内を荒らしてくる相手に苛立った。
彷徨っていた手をⅤへとのばし、手入れの行き届いている髪を思いっきり掴んでひっぱってやった。
驚き拘束を緩めた相手を突き飛ばし。
酸素を求めていた肺に咳き込みながら空気を送り込み、滲む視界の中でⅤを睨んだ。
「Ⅴ、テメ…ッ何のつもりだ」
「何がだ」
「こんな嫌がらせして何のつもりだって聞いてんだよ!」
「嫌がらせをしたつもりはない」
すかしたツラで平然と言うⅤに、此処まで苛立ったことはなかった。
「嫌がらせ以外に、何だっていうんだ!?」
「好きな相手にキスをしただけで、そこまで罵られる覚えはない」
何処までも人の神経を逆撫でする才能でもあるのかと、Ⅴの態度にブチギレそうになった。
いっそ、理解できる言葉で喋れと怒鳴りつけたかった。
(2012/01/21)
◆Ⅳ+Ⅴ
びちゃっ、と水の滴るタオルを顔に乗せられⅣは跳ね起きた。
「せめてタオルの水は絞ってから乗せろ!!」
タオルをベッドサイドに立っていた人物に投げ返したⅣは、相手がⅢではなかったことに驚いた。
「Ⅴ!?」
「注文が多いな」
何が悪かったんだと冷静に考えながらⅤは言われた通りにタオルを絞った。
似合わない事をしているⅤに混乱しながらⅣは相手を凝視した。
「Ⅳ、寝ていろ。これが置けない」
「テメェ、何でいるんだ!?」
怒鳴りつけた後咳き込むⅣにⅤは相手の背中を擦った。
「落ち着け、Ⅳ。Ⅲが買い物に行く間の看病を頼んできたからいるだけだ」
「……頼む相手間違ってんだろ」
余計に悪化しそうな気がするぜ、と頭痛がする頭を押さえながらⅣは呟いた。
(2012/01/29)
◆凌Ⅳ
外に出ている時は必ずと言っていいほど紳士的な態度を崩さないⅣ。
本性を知っているだけに、凌牙はファンを相手にするⅣを呆れた目で見た。
「二重人格者」
「酷い言いようですねぇ? 公私混同をしないタイプだと言ってください」
あまり騒がないように、とファンにお願いをしていたⅣは凌牙からの言葉に平然と返した。
「で? 何が気に食わないと言うんですか、凌牙」
心外だとばかりにファン用の笑顔を張り付けたまま聞くⅣ。
そんなⅣを眺めた凌牙は、バッサリと断言した。
「全体的に気持ち悪い」
「……言ってくれるじゃねぇか」
周りに気付かれないよう小声でガラ悪く凄むⅣに、凌牙は鼻で笑った。
「そっちの方が、よっぽどお似合いだな」
(2012/01/29)
Ⅳ兄様、僕だけのⅣ兄様。
本当はⅣ兄様が誰にも愛されなくてもいいんです。
僕だけが兄様を愛してあげますから。
だから、僕以外の事を考えないでください。
ファンの事も、凌牙の事も、トロンもⅤ兄様の事も。
そうすれば、ずっと兄様の遊びに付き合ってあげます。
Ⅳ兄様が大好きな、家族ごっこに。
「世界中の誰よりも、僕はⅣ兄様が好きだよ」
(2012/01/11)
◆Ⅳ+Ⅲ
「Ⅲ……喉がいてぇ、体が怠い」
「Ⅳ兄様。自業自得と言う言葉を知ってますか?」
「知るかそんなもん」
ゲホゲホと咳をしながらⅣは不貞腐れたように返答した。
「インフルエンザが流行ってる時に、調子に乗ってファンと握手会をするからそうなるんです」
「予定に入れたのは誰だ、Ⅲ……」
「Ⅳ兄様。トロンの命令は絶対だよ? それに、予防なんていくらでも方法はあったのに」
やらない方が悪い、と締めくくったⅢはⅣの額に置かれていたタオルを交換した。
「マスクしたままファンに会えってのかよ」
「そう言う所で兄様は変に律儀ですね」
「俺はファンサービスは全力でやるんだよ」
「それで風邪をひいていたら世話はありませんよ、Ⅳ兄様」
(2012/01/13)
◆ⅤⅣ
酸欠状態の此方に構いもしないで口内を荒らしてくる相手に苛立った。
彷徨っていた手をⅤへとのばし、手入れの行き届いている髪を思いっきり掴んでひっぱってやった。
驚き拘束を緩めた相手を突き飛ばし。
酸素を求めていた肺に咳き込みながら空気を送り込み、滲む視界の中でⅤを睨んだ。
「Ⅴ、テメ…ッ何のつもりだ」
「何がだ」
「こんな嫌がらせして何のつもりだって聞いてんだよ!」
「嫌がらせをしたつもりはない」
すかしたツラで平然と言うⅤに、此処まで苛立ったことはなかった。
「嫌がらせ以外に、何だっていうんだ!?」
「好きな相手にキスをしただけで、そこまで罵られる覚えはない」
何処までも人の神経を逆撫でする才能でもあるのかと、Ⅴの態度にブチギレそうになった。
いっそ、理解できる言葉で喋れと怒鳴りつけたかった。
(2012/01/21)
◆Ⅳ+Ⅴ
びちゃっ、と水の滴るタオルを顔に乗せられⅣは跳ね起きた。
「せめてタオルの水は絞ってから乗せろ!!」
タオルをベッドサイドに立っていた人物に投げ返したⅣは、相手がⅢではなかったことに驚いた。
「Ⅴ!?」
「注文が多いな」
何が悪かったんだと冷静に考えながらⅤは言われた通りにタオルを絞った。
似合わない事をしているⅤに混乱しながらⅣは相手を凝視した。
「Ⅳ、寝ていろ。これが置けない」
「テメェ、何でいるんだ!?」
怒鳴りつけた後咳き込むⅣにⅤは相手の背中を擦った。
「落ち着け、Ⅳ。Ⅲが買い物に行く間の看病を頼んできたからいるだけだ」
「……頼む相手間違ってんだろ」
余計に悪化しそうな気がするぜ、と頭痛がする頭を押さえながらⅣは呟いた。
(2012/01/29)
◆凌Ⅳ
外に出ている時は必ずと言っていいほど紳士的な態度を崩さないⅣ。
本性を知っているだけに、凌牙はファンを相手にするⅣを呆れた目で見た。
「二重人格者」
「酷い言いようですねぇ? 公私混同をしないタイプだと言ってください」
あまり騒がないように、とファンにお願いをしていたⅣは凌牙からの言葉に平然と返した。
「で? 何が気に食わないと言うんですか、凌牙」
心外だとばかりにファン用の笑顔を張り付けたまま聞くⅣ。
そんなⅣを眺めた凌牙は、バッサリと断言した。
「全体的に気持ち悪い」
「……言ってくれるじゃねぇか」
周りに気付かれないよう小声でガラ悪く凄むⅣに、凌牙は鼻で笑った。
「そっちの方が、よっぽどお似合いだな」
(2012/01/29)