その他

「Ⅳ兄様はいつもファンの事ばかりですね」
「Ⅲ?」

むっすりとした表情で拗ねたように言うⅢ。
その様子に戸惑ったようにⅣは眉を寄せた。


「Ⅳ兄様がファンサービスをモットーにしているのは分かっています。けど、ファンサービスを理由に僕との予定を断られると、蔑にされてるように感じます」
「スターはファンに全てを捧げるもんだろ。それに、今回のはトロンに勝手に入れられた予定だ」


普段トロンの命令は絶対だと言ってるくせに、どうして今日に限ってⅢが拗ねるのかが分からなかった。
蔑にしてるつもりもないし、約束を破った事を悪いと思っていないわけでもない。
いつも素直なくせに何で今日に限って拗ねるんだよと、逆にⅣは文句を言いたくなった。


「出来る限り埋め合わせはしてやるから機嫌直せよ、Ⅲ」
「僕の方がずっと前から約束してました」
「文句ならトロンに言えよ」
「トロンに言えないから兄様に言っているんです」



理不尽すぎる
「俺にどうしろってんだよ」
「今日の兄様の時間を全部僕にくれたら許します」
「おい!? 今日はこれからファンサービスが!!」
「Ⅳ兄様」
「……空ければいいんだろ、空ければ」


end
(2012/02/07)
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