その他

「まだ誰にも犯されていないⅣ兄様の中に入れて、僕の物で善がってグシャグシャになったⅣ兄様の顔を見るのが僕の夢なんです」
「は……?」

一瞬耳が遠くなったのかと、天使のような笑顔を浮かべる弟を前にⅣは思った。
可愛らしいとしか言いようがない容姿に、やわらかな雰囲気を纏うⅢはさらに言葉を続けた。


「だからⅣ兄様。痛くしませんから今夜一晩いかがですか?」
「お前の口からそんな言葉を聞きたくはなかった!!」

絶望に無理やり叩き込まれた心境のⅣは耳を塞ぎながらしゃがみ込んだ。


「Ⅳ兄様? どうしたんですか、気分が急に悪くなってしまったのでしょうか?」
「ついさっき、お前の発言のせいでな」

気遣わしげに訊いてくるⅢに、恨み言の様にⅣは呟いた。


「具合が悪いようでしたら僕が看病します。あ、でももし不可抗力があったら御免なさい。Ⅳ兄様」
「何かがある事が前提の承諾を止めろ! 俺の可愛いⅢを返せ!!」
「可愛いのはⅣ兄様の方ですよ?」
「幻聴だ!! これは夢だ!」
「あっ、Ⅳ兄様!」

現実を見たくも聞きたくもないⅣは脱兎のごとく走り出し、Ⅲを振り切った。



相談者求ム
「何で俺の所に来るんだ、Ⅳ」
「……凌牙、誰にも相談できない私の立場にもなってみてください」
「迷惑だから帰れ」
「この薄情もの!!」


end
(2012/01/05)
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