凌Ⅳ
外から帰ってきたⅣは扉を開けた瞬間に視界に入ってきた光景に、開口一番叫んだ。
「ムカつくぜ!! お前らだけ空調の効いた部屋で優雅にお茶か!?」
「笑止。ファンサービスだと言って嬉々として外に出て行ったのは誰だ」
「そうですよ、Ⅳ兄様。こんな暑い日に外でファン達に会うなんて自殺行為ですよ?」
「スターはファンに全てを捧げるもんだろ!?」
「ならば、せめて服だけも軽装にすればいい話だ」
「それは! ……俺だってそうしたかったけどよぉ」
Ⅴからの言葉に歯切れ悪く呟いたⅣは視線を泳がせた。
「Ⅳ兄様。凌牙のせいで詰襟の服を着ないといけないのは分かりますけど」
「Ⅲ?! お前ッ…見たのか!?」
首元を隠すように手を当てるⅣに、不思議そうにⅢは返答した。
「今朝鏡の前で首元を気にいているⅣ兄様の姿なら見ました」
「なっ…!!」
「Ⅳ」
「な、んだよ、Ⅴ……」
「吸引性皮下出血は血行をよくした方が早く治る」
虫刺され
「そんな、Ⅳ兄様ッ……やっぱり凌牙にキスマークを付けられてたなんて」
「やっぱりって何だ!? 誤解するなⅢ!これは虫刺されだ!!」
「首だけを集中的に刺す虫はいないぞ、Ⅳ」
「虫刺されだって言ってんだろ!?」
end
(2012/09/08)
「ムカつくぜ!! お前らだけ空調の効いた部屋で優雅にお茶か!?」
「笑止。ファンサービスだと言って嬉々として外に出て行ったのは誰だ」
「そうですよ、Ⅳ兄様。こんな暑い日に外でファン達に会うなんて自殺行為ですよ?」
「スターはファンに全てを捧げるもんだろ!?」
「ならば、せめて服だけも軽装にすればいい話だ」
「それは! ……俺だってそうしたかったけどよぉ」
Ⅴからの言葉に歯切れ悪く呟いたⅣは視線を泳がせた。
「Ⅳ兄様。凌牙のせいで詰襟の服を着ないといけないのは分かりますけど」
「Ⅲ?! お前ッ…見たのか!?」
首元を隠すように手を当てるⅣに、不思議そうにⅢは返答した。
「今朝鏡の前で首元を気にいているⅣ兄様の姿なら見ました」
「なっ…!!」
「Ⅳ」
「な、んだよ、Ⅴ……」
「吸引性皮下出血は血行をよくした方が早く治る」
虫刺され
「そんな、Ⅳ兄様ッ……やっぱり凌牙にキスマークを付けられてたなんて」
「やっぱりって何だ!? 誤解するなⅢ!これは虫刺されだ!!」
「首だけを集中的に刺す虫はいないぞ、Ⅳ」
「虫刺されだって言ってんだろ!?」
end
(2012/09/08)