右京先生受け

クールビズ
(等々力×右京)


「委員長、おはよう」
「右京先生、おはようござい……」

後ろから声をかけられ振り返った等々力は、挨拶を途中で飲み込むことになった。
普段きっちりとしている服装の一部がない事に、等々力は右京の首元を凝視した。


「先生ッ、ネクタイが」
「今日からクールビズを実施することになったんだ」

どうかな?、と笑いながら訊いてくる右京。
等々力はとっさに目を伏せながら答えた。


「先生、あの、やはりネクタイは……」
「委員長もやっぱりネクタイはした方が良いと思うかい?」
「はい」

むしろ、ずっとその姿だと授業に支障が出そうです、と心の中で付け足しながら頷いた。


「うーん、クールビズは不評のようだね。今朝会った子達全員に目を逸らされたりネクタイをして欲しいって言われてね」

落ち込んだように言う右京は、やっぱりネクタイをしてくるよ、と職員室へと戻って行った。
その後ろ姿を見送った等々力は、顔を赤くしたまま小さく呟いた。



「とどのつまり、皆も同じ風に思った訳ですね……」


end
(2011/06/14)
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