黒右京

◆黒白分裂


「えーと、つまり……」
「とどのつまり、いつもの先生が眼鏡をかけていて、ナンバーズに取り付かれていた時の先生が裸眼と言うことですか?」
「さすが委員長。飲み込みが早いね」
「ふん、それぐらい分からなくてどうする」

感心するように言う白右京と不機嫌そうに言う黒右京。
遊馬はまだ混乱する頭で必死に覚えようとした。

「眼鏡ありがいつもの先生、ナンバーズの方が眼鏡なしで……」
「それぐらい分かるでしょう普通は。そこまで必死に覚えようとしないでください遊馬君」
「やはり、バカはバカでしかないな」
「……あの、先生?」

近寄ってまじまじと眺めてくる黒右京に、少し驚いて等々力は一歩引いた。

「その点においては、私は委員長の事が好きだ」
「えっ!?」

口の端をニヤリと上げながらの黒右京の言葉に、つい赤面して等々力は口ごもった。



「そう言ってくれるのは右京先生だけだ!!」

ガバッ、と抱きついてくる遊馬の体を支えながら、落ち込みから回復してくれてよかったと白右京は安心した。

「遊馬君! みだりに抱きつくなんて何を考えているんですか!?」
「バカが〈私〉に触るな」


(2011/07/17)
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