右京先生受け

パフェ
(等々力×右京)


細長いガラスの器に色とりどりの果物や生クリーム。
一番上に真っ赤なサクランボが飾り付けられた物を前に出してもらった。


「パフェ、ですか?」
「よかったら食べてくれるかな、委員長」

苦笑するように言う先生。
訊けば、家庭科の先生から余り材料を貰って作ったらしい。


「委員長に似合うと思ったんだ」


フランス語で「完全な」と言う意味のデザート。
それが似合うことが嬉しいとは思えなかった。

何処までいっても子供としてしか思えない。
そう、暗に含まれているようで少し嫌だった。



「委員長? どうかしたのかな、嫌いだったかい?」
「いいえ、好きです」


先生の作ってくれたパフェ。
嬉しさとほんの少しの悲しさを感じながら、スプーンを向けた。



壊すのがもったいないほど綺麗に盛り付けられたのを一筋すくい。
口に入れれば、確かに完全と言う名が相応しいほどおいしかった。


end
(2011/06/05)
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