断片話

◆質疑応答
(等々力→右京)

先生はよく困ったような顔をする。
その原因の大半が、日常では優等生である自分の言動に直結している。
今もまた、眉を下げて、質問を保留にしようとしている。

「委員長。その問いには私は答えられない」
「どうしてもですか?」
「どうしても、無理なんだ」
「そう、ですか」

追及しても結果は同じだと分かってはいた。
此方が生徒で、教師と生徒という線引きを先生がしている間は無理だと。
卑怯だと思った。
困った顔をして、さも君の事を拒絶はしていないと言いたげに答えるのが。
いっその事、きっぱりと拒絶をされれば諦める事が出来るのにと、保留にされた事に安堵しながら考えた。


(2011/11/22)
10/12ページ