断片話

◆自己嫌悪
(等々力→右京)

「――ッ! 何て事を考えていたんですか僕は!!」

優等生としてあるまじき想像を払いのけるように等々力は頭を掻き毟った。
せめてもの救いは、今いる場所が誰もいない教室だった事。
例え今までの想像を口に出していたとしても誰も聞いていない。
ただ、今右京に会えば間違いなく赤面できる自信だけはあった。

「ありえません! 断じてありません!! 僕はそんな不純な目で先生を見た事なんてありませんから!!」

誰に弁解するともなく等々力は断言をして心を落ち着かせようとした。
荒い息を整え、誤魔化すように咳払いをして今までの想像の否定に取り掛かった。

「だいたい、僕はまだ成人もしてませんし。そういう関係になるには合意の上で行うにしても、やはりそれなりに対等な立場で…って! だから違います!!」


(2011/11/16)
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