右京先生受け
二択
(等々力×右京)
「『Trick or Treat?』」
「右京、先生?」
今朝からクラス中で聞いた言葉。
お菓子交換をする際に決まり文句のように出ていた言葉が、目の前の相手から出たことに驚いて手を止めた。
「委員長は言わないのかな?」
不思議そうに訊く右京に、どう返せばいいのかと口ごもった。
こんな時に、自分が遊馬のような性格であればと思った。
実際、遊馬は廊下で会った右京に対し堂々と言い、お菓子がないならと盛大にハグをしていた。
けれど自分はあそこまで図々しくは出来ない。
しかも、何も持っていない相手に対して言える訳がない。
仮に持っていたとしても、まさか教師に対し冗談を言える訳もない。
「あの、先生……僕は」
「一人の生徒だけを贔屓するのは、本当はいけない事なんだろうけどね」
独り言のように続ける右京の言葉を理解するのに、その後暫くかかった。
「委員長にならあげようかと思ってたんだ」
お菓子でも悪戯でも、どちらでも好きな方を。
end
(2011/10/31)
(等々力×右京)
「『Trick or Treat?』」
「右京、先生?」
今朝からクラス中で聞いた言葉。
お菓子交換をする際に決まり文句のように出ていた言葉が、目の前の相手から出たことに驚いて手を止めた。
「委員長は言わないのかな?」
不思議そうに訊く右京に、どう返せばいいのかと口ごもった。
こんな時に、自分が遊馬のような性格であればと思った。
実際、遊馬は廊下で会った右京に対し堂々と言い、お菓子がないならと盛大にハグをしていた。
けれど自分はあそこまで図々しくは出来ない。
しかも、何も持っていない相手に対して言える訳がない。
仮に持っていたとしても、まさか教師に対し冗談を言える訳もない。
「あの、先生……僕は」
「一人の生徒だけを贔屓するのは、本当はいけない事なんだろうけどね」
独り言のように続ける右京の言葉を理解するのに、その後暫くかかった。
「委員長にならあげようかと思ってたんだ」
お菓子でも悪戯でも、どちらでも好きな方を。
end
(2011/10/31)