小説

「ゲッシューー! どこ行ったんだよゲッシュー!」

連れ合いの名をクー・フーリンは呼び回り、本当に何処へ行ったものかと頬を掻いた。
もふもふの見た目から女子供に可愛がられていればいい方で。
神の中には小汚いだ下等生物だと悪しざまに蔑み排除しようとする者もいる。
早めに見つけてやりたい気持ちばかりが強くなるが、近くにいなさそうな事だけは理解した。


「……プロメテウスの所で飯貰ってる可能性もあるかコレ?」

神と名の付く者にあまり関わりたくはないが、背に腹は代えられない。
最近、いつの間にやらゲッシュは頻繁にプロメテウスの所へ遊びに行っているらしい。
少しばかり他者に対して甘過ぎる神に関しては、クー・フーリンも悪くは思っていない。
ただ少しお節介なほどに気遣ってくるのがこそばゆい程度で。

「いや、でもなぁ…?」

行ってもいいが、妙にプロメテウスの所で遭遇率の高い斉天大聖もいるだろうなと考えるとやや躊躇する。
はち合わせた日には、互いにゲッ!と思い気まずくなるし、軽く喧嘩しないと気が済まない。
プロメテウスの友達らしいギリシャ神よりもよく見かけるのは何なのか。


「まあ、いいか」

ゲッシュ探しの方が優先度は高いかと考え直し、クー・フーリンは歩き出した。
次に猿に遭遇したら、喧嘩文句でプロメテウスと恋仲かなんかかよとツッコミを入れてやるかと思いながら。



藪から犬
猿との喧嘩中に見つかるゲッシュ。


end
(2025/04/03)
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