萌語り:ハデ始

◆早とちり
(ハデ始)

あまりにもハデスが礼節をもって接し続けるので。
ここは一つ、朕の方から明確に誘うべきであろう、と決意する始皇帝とか。

しかし、誘いをかけても冥界の王は躊躇する素振りを見せ。
何やら真実を言い淀んでいるかのような様子で。
負担をかける事になるぞと心配気に言われ。

死に近き神である事をふと思い出し。
冥界の王が勃起不全かもしれないと解釈し。
それでもよい共に乗り越えていこうと言い切った矢先。
何気にハデスの身体のとある部位が布越しにゴリッと触れて。

通常状態でもすでに大きい冥界の王の剛直に、『???』となるとか。
暫し考え込んだ後、やはり日を改めて来ることにすると提案し、帰ろうとするが。
何故余が帰すと思うのかと、直後に腕をハデスに掴まれ逃亡失敗する始皇帝。
どう考えてもそれは入らぬだろ!と神へと人は現実を教えようとし。
共に乗り越えるのであろう?と捕まえた人の子へと神は囁く。

今までの礼節をもった態度は何処へ吹っ飛んだのかとツッコミを入れたくなる展開を前に。
不好!あれは朕の油断を誘う為の罠だったのか!と神相手に無駄な抵抗をする始皇帝。
何を言う?余は負担をかける事になるぞと忠告はしたが?とハデスは苦笑する。
神は早合点で恰好の餌食になりに来た人の子を逃がす気はない。


(2022/05/02)
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