萌語り:ハデ始

◆続・刻印
(ハデ始)

冥界の王が始皇帝に印付けをして。
人間には分からないが、神には分かる刻印ゆえに。
神のコピーであるアダムもまた、印が見えるとか。

「首の後ろにある印について、知ってる?」と始皇帝に言ってあげるアダムとか。
アダムの指摘に対し、始皇帝はハデスにキスマークを付けられていたのかと勘違いし。
「無問題。冥界の王が付けたものである」と返す。

始皇帝が全然気にした様子もなく無問題だと言うので。
アダムは首の後ろにつけられてる神の刻印を始皇帝が知っていると判断し。
知ってるなら特に何も言うことはないので、それならいいけど、と流す全人類の父。

後でキスマークに関してハデスに文句を言う始皇帝。
痕を付けた時は正直に言え、アダムに言われてしまったぞと神を叱る人の子。
そんな始皇帝を抱き寄せながら、次に付けた時は伝えると約束する冥界の王は。
始皇帝の首の後ろに付けた印に触れるように手を添える。

おそらく原初の人間が言ったのは、この印の事だろうなと分かってはいる。
全人類の父を称する人間が引き下がったのは謎ではあるが。
仮に、他の者達が指摘してこようと関係はない話だと。
始皇帝へと口付けながら冥界の王は印をなぞる。


(2022/02/03)
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