萌語り:ハデ始
◆情欲の矢
(ハデ始)
キューピッドの矢的な神器によって、一夜の過ちをする神と人とか。
射抜かれたのはハデスで、始皇帝を抱き潰し、責任をもって付き合うことにした。
一度さらけ出してしまったものは仕方がないと、開き直って交際する冥界の王。
なお、始皇帝はハデスからの好意は神器による偽りの愛だと思い込んでる。
偽りと知りながら神の愛を受け入れた人の王。
実の所。
主神クラスのハデスにそう外的要因の効果が出る訳もなく。
せいぜいが短時間における強力な精力剤効果+好意の増幅程度で。
要するに、前から好いていた者に対し一時的に理性がぶっ飛んだだけ。
そうとも知らず、すれ違ったまま付き合い始め。
最終的に、始皇帝が鉛の矢を手に入れてハデスに刺すとか。
偽りの愛はこれにて終いだと、冥界の王を正気に戻したつもりだったが。
それほどに余を拒絶する気かと、神の逆鱗に触れた。
明らかに鉛の矢の効果がない様子に訳が分からない始皇帝。
鉛の矢とは刺された側が拒絶をするはずであろう?と疑問を口にすれば。
拒絶されたいと思うほどに余を疎ましく思っていたのかと神は怒る。
始皇帝が鉛の矢を使って後腐れなく別れる気だと勘違いしたハデス。
その程度の神器ごときでどうにかなると思われてること自体が腹立たしく。
どういう了見だとばかりに始皇帝に怒りを向ける。
「朕は其方を解放しただけである!」
さすがに理不尽にハデスに怒られムッときた始皇帝。
そのまま一生、朕に偽りの愛を向けさせてもよかったのだぞ!と逆ギレ状態。
むしろ感謝せよ!とばかりに尊大に神へと告げ、火に油を注ぐ結果に。
『不好!朕は断腸の思いでキューピッドの矢の効果を解いてやったのだぞ!』
『言うに事欠き余を解放だと?貴様が余から解放されたかっただけであろう!』
互いに致命的な誤解をしたまま口論に発展し。
誤解は解けず、口論はヒートアップし、ふざけるな!と互いに我慢の限界が訪れ。
まどろっこしい!暴力で解決するぞ!とばかりに物理喧嘩に発展する二名。
ハデスはバイデントを手にし、始皇帝は問答無用で構えをとり。
その日、神の離宮が一つ更地へと変わった。
激闘の末、乱した息を整える小休止中、構えを解かずに口論を続ける両者。
そもそも其方がキューピッドの矢などに射抜かれなければよかったのだと始皇帝は零し。
神器によって理性が吹っ飛んだのが始まりだったので、その点だけは負い目があるハデス。
抱き潰したことへの謝罪でも求める気かと思い、始皇帝の言葉を聞き入れていれば。
始皇帝がキューピッドの矢の効果を勘違いしている事を知る。
構えていたバイデントを下げ、始皇帝へと近付くハデス。
無造作に近付いてくるハデスに対し、何のつもりかと思いながらも警戒は解かない始皇帝。
槍の間合いはとうに過ぎ、自身の体術の間合いに入ったハデスに一撃を食らわそうとするが。
神に腕を掴まれ、抜け出す間もなく抱き寄せられた。
その後。
偽りでなければと、願い続けた事は。
とうに叶っていたのだと、人の子は知る。
(2022/01/10)
(ハデ始)
キューピッドの矢的な神器によって、一夜の過ちをする神と人とか。
射抜かれたのはハデスで、始皇帝を抱き潰し、責任をもって付き合うことにした。
一度さらけ出してしまったものは仕方がないと、開き直って交際する冥界の王。
なお、始皇帝はハデスからの好意は神器による偽りの愛だと思い込んでる。
偽りと知りながら神の愛を受け入れた人の王。
実の所。
主神クラスのハデスにそう外的要因の効果が出る訳もなく。
せいぜいが短時間における強力な精力剤効果+好意の増幅程度で。
要するに、前から好いていた者に対し一時的に理性がぶっ飛んだだけ。
そうとも知らず、すれ違ったまま付き合い始め。
最終的に、始皇帝が鉛の矢を手に入れてハデスに刺すとか。
偽りの愛はこれにて終いだと、冥界の王を正気に戻したつもりだったが。
それほどに余を拒絶する気かと、神の逆鱗に触れた。
明らかに鉛の矢の効果がない様子に訳が分からない始皇帝。
鉛の矢とは刺された側が拒絶をするはずであろう?と疑問を口にすれば。
拒絶されたいと思うほどに余を疎ましく思っていたのかと神は怒る。
始皇帝が鉛の矢を使って後腐れなく別れる気だと勘違いしたハデス。
その程度の神器ごときでどうにかなると思われてること自体が腹立たしく。
どういう了見だとばかりに始皇帝に怒りを向ける。
「朕は其方を解放しただけである!」
さすがに理不尽にハデスに怒られムッときた始皇帝。
そのまま一生、朕に偽りの愛を向けさせてもよかったのだぞ!と逆ギレ状態。
むしろ感謝せよ!とばかりに尊大に神へと告げ、火に油を注ぐ結果に。
『不好!朕は断腸の思いでキューピッドの矢の効果を解いてやったのだぞ!』
『言うに事欠き余を解放だと?貴様が余から解放されたかっただけであろう!』
互いに致命的な誤解をしたまま口論に発展し。
誤解は解けず、口論はヒートアップし、ふざけるな!と互いに我慢の限界が訪れ。
まどろっこしい!暴力で解決するぞ!とばかりに物理喧嘩に発展する二名。
ハデスはバイデントを手にし、始皇帝は問答無用で構えをとり。
その日、神の離宮が一つ更地へと変わった。
激闘の末、乱した息を整える小休止中、構えを解かずに口論を続ける両者。
そもそも其方がキューピッドの矢などに射抜かれなければよかったのだと始皇帝は零し。
神器によって理性が吹っ飛んだのが始まりだったので、その点だけは負い目があるハデス。
抱き潰したことへの謝罪でも求める気かと思い、始皇帝の言葉を聞き入れていれば。
始皇帝がキューピッドの矢の効果を勘違いしている事を知る。
構えていたバイデントを下げ、始皇帝へと近付くハデス。
無造作に近付いてくるハデスに対し、何のつもりかと思いながらも警戒は解かない始皇帝。
槍の間合いはとうに過ぎ、自身の体術の間合いに入ったハデスに一撃を食らわそうとするが。
神に腕を掴まれ、抜け出す間もなく抱き寄せられた。
その後。
偽りでなければと、願い続けた事は。
とうに叶っていたのだと、人の子は知る。
(2022/01/10)