萌語り:ハデ始
◆コーヒー味
(ハデ始)
ゼウスやアレスが紅茶派っぽい中、ハデスだけがコーヒー派とか。
コーヒーの香ばしすぎる匂いを前に、紅茶の繊細な香りが吹っ飛ぶので。
遠慮というものを覚えんかい、と長兄に対し空気読めと文句言うゼウス。
余が何を飲もうと関係なかろう、と我関せずとコーヒーを飲むハデス。
一触即発なお茶会に対しハラハラする同じ部屋にいるアレス。
面白そうなのであえて紅茶もコーヒーも出してるヘルメス。
実際の所、別にゼウスはハデスのコーヒー好きに関してはそれほど怒ってもいなくて。
単なる兄弟間のじゃれ合いの一種のようなものだし、ハデスも面白がってやってる。
ポセイドンもいる時は、コーヒーを飲むこともなく普通に皆と同じく紅茶を飲む長兄。
ハデスがコーヒーを飲むのは独りの時かゼウスとの茶の席だけだったり。
もっとも、年がら年中冥界にいるのでコーヒーを飲むことの方が多いが。
そんな中、かなりの甘党派な始皇帝によって、いつも通りが崩されるとか。
甘い物が好きというより、甘い=安全という原始的な味覚判断が根底。
苦い=毒、酸っぱい=腐敗してはいないかとの薄っすらとした警戒。
コーヒーを飲んだ直後のハデスからキスされ。
当然のごとくディープキスだったせいでダイレクトに苦みを感じ。
珍しくハデスからのキスに抵抗した始皇帝とか。
ハデスが飲んでる香ばしい物は苦いと学習し。
コーヒーの匂いがする時は口付け拒否を宣言する始皇帝。
たかが人間の軽度な拒絶ごときで神が行動を変える訳もなく――と思いきや。
なんとなくコーヒーを飲む頻度を減らす冥界の王。
その後、ある日のギリシャ勢による茶の席にて。
コーヒーを断った上で紅茶を飲むハデスの姿があったり。
今日はポセイドンは来んぞ?とゼウスが確認をとれば。
そんなことは知っている、と事も無げに返すハデス。
珍しすぎる事にアレスやヘルメスまで軽く驚いてる。
そういう気分であったと言われれば、それまでの話だったが。
それが何回も続けばさすがに原因を知りたくはなるもので。
というより、消費されなくなったコーヒー豆が少々問題で。
という訳で、アレスお兄さまコーヒーを飲みませんか?と勧めるヘルメス。
何がという訳でだ!と文句を言いながらも出された物は飲む姿勢のアレス。
天界の最高級品ではあるので香りもよく美味いには美味いが。
それにしても苦い、と渋々でコーヒーを口にする軍神。
そして、唐突に訪問してくる始皇帝。
コーヒーの香りがしたのでハデスがいるかと思った。
どうやら部屋にいたのはヘルメスとデカイのだったと知る。
始皇帝がコーヒーを知っていた事を少し意外に思う神様達。
飲んだことはないが味は好かぬ、と訳の分からないことを言う人間。
邪魔をした、と踵を返してまたハデスを探しに行く始皇帝を見送り。
嵐のように唐突だな、とすっかりと冷めてしまったコーヒーを飲むアレス。
それにしても、飲んだことがないくせに何故味を知っているのか疑問ではある。
アレスが不思議がっている中、最近の一連の出来事の関連性を理解したヘルメス。
思わず軽く笑い出し、まだよく分かってないアレスからの質問はぬらりくらりとかわす。
お茶の席にて、冥界の王が紅茶を飲むようになったので。
甘い香りのするフレーバーティーを提供してみたりするヘルメスとか。
さすがに面白がってやってるのがバレて軽くハデスに忠告される。
怖いもの知らずかお前は、とヘルメスに対して戦慄するアレス。
「そんな甘ったるい香りの物をハデス様が飲む訳がないだろ、オレでも分かるぞ?」
「いえ、甘い物を好まれていたようなので、好まれる香りかと思いまして」
つくづく訳が分からんヘルメスの言動にアレスは疑問符だらけ。
それでいてハデスが今日出された茶葉に関して後でヘルメスに訊いていて。
ますます意味が分からなくなるギリシャの軍神。
その後、とある日の昼下がり。
最近ハデスからコーヒーの香りがしない事に対し。
甘い香りのする茶にさらに砂糖を入れて飲みながら。
コーヒーとやらは飲まぬのか?と不思議そうに人の子は問い。
それは遠回しな拒絶かと、無神経さに冥界の王は少し不機嫌になる。
(2022/01/02)
(ハデ始)
ゼウスやアレスが紅茶派っぽい中、ハデスだけがコーヒー派とか。
コーヒーの香ばしすぎる匂いを前に、紅茶の繊細な香りが吹っ飛ぶので。
遠慮というものを覚えんかい、と長兄に対し空気読めと文句言うゼウス。
余が何を飲もうと関係なかろう、と我関せずとコーヒーを飲むハデス。
一触即発なお茶会に対しハラハラする同じ部屋にいるアレス。
面白そうなのであえて紅茶もコーヒーも出してるヘルメス。
実際の所、別にゼウスはハデスのコーヒー好きに関してはそれほど怒ってもいなくて。
単なる兄弟間のじゃれ合いの一種のようなものだし、ハデスも面白がってやってる。
ポセイドンもいる時は、コーヒーを飲むこともなく普通に皆と同じく紅茶を飲む長兄。
ハデスがコーヒーを飲むのは独りの時かゼウスとの茶の席だけだったり。
もっとも、年がら年中冥界にいるのでコーヒーを飲むことの方が多いが。
そんな中、かなりの甘党派な始皇帝によって、いつも通りが崩されるとか。
甘い物が好きというより、甘い=安全という原始的な味覚判断が根底。
苦い=毒、酸っぱい=腐敗してはいないかとの薄っすらとした警戒。
コーヒーを飲んだ直後のハデスからキスされ。
当然のごとくディープキスだったせいでダイレクトに苦みを感じ。
珍しくハデスからのキスに抵抗した始皇帝とか。
ハデスが飲んでる香ばしい物は苦いと学習し。
コーヒーの匂いがする時は口付け拒否を宣言する始皇帝。
たかが人間の軽度な拒絶ごときで神が行動を変える訳もなく――と思いきや。
なんとなくコーヒーを飲む頻度を減らす冥界の王。
その後、ある日のギリシャ勢による茶の席にて。
コーヒーを断った上で紅茶を飲むハデスの姿があったり。
今日はポセイドンは来んぞ?とゼウスが確認をとれば。
そんなことは知っている、と事も無げに返すハデス。
珍しすぎる事にアレスやヘルメスまで軽く驚いてる。
そういう気分であったと言われれば、それまでの話だったが。
それが何回も続けばさすがに原因を知りたくはなるもので。
というより、消費されなくなったコーヒー豆が少々問題で。
という訳で、アレスお兄さまコーヒーを飲みませんか?と勧めるヘルメス。
何がという訳でだ!と文句を言いながらも出された物は飲む姿勢のアレス。
天界の最高級品ではあるので香りもよく美味いには美味いが。
それにしても苦い、と渋々でコーヒーを口にする軍神。
そして、唐突に訪問してくる始皇帝。
コーヒーの香りがしたのでハデスがいるかと思った。
どうやら部屋にいたのはヘルメスとデカイのだったと知る。
始皇帝がコーヒーを知っていた事を少し意外に思う神様達。
飲んだことはないが味は好かぬ、と訳の分からないことを言う人間。
邪魔をした、と踵を返してまたハデスを探しに行く始皇帝を見送り。
嵐のように唐突だな、とすっかりと冷めてしまったコーヒーを飲むアレス。
それにしても、飲んだことがないくせに何故味を知っているのか疑問ではある。
アレスが不思議がっている中、最近の一連の出来事の関連性を理解したヘルメス。
思わず軽く笑い出し、まだよく分かってないアレスからの質問はぬらりくらりとかわす。
お茶の席にて、冥界の王が紅茶を飲むようになったので。
甘い香りのするフレーバーティーを提供してみたりするヘルメスとか。
さすがに面白がってやってるのがバレて軽くハデスに忠告される。
怖いもの知らずかお前は、とヘルメスに対して戦慄するアレス。
「そんな甘ったるい香りの物をハデス様が飲む訳がないだろ、オレでも分かるぞ?」
「いえ、甘い物を好まれていたようなので、好まれる香りかと思いまして」
つくづく訳が分からんヘルメスの言動にアレスは疑問符だらけ。
それでいてハデスが今日出された茶葉に関して後でヘルメスに訊いていて。
ますます意味が分からなくなるギリシャの軍神。
その後、とある日の昼下がり。
最近ハデスからコーヒーの香りがしない事に対し。
甘い香りのする茶にさらに砂糖を入れて飲みながら。
コーヒーとやらは飲まぬのか?と不思議そうに人の子は問い。
それは遠回しな拒絶かと、無神経さに冥界の王は少し不機嫌になる。
(2022/01/02)