萌語り:ハデ始
◆ワンオペの日常
(ハデ始)
万年冥界にいるから天界に来た時に色々と多忙になるハデスとか。
ほぼ天界の離宮の一室で缶詰め状態になったハデスに対し。
自業自得という言葉を知っているか?とワンオペぶりを指摘する始皇帝。
貴様の生前にも言ってやりたい言葉だな、と虚無顔で返す冥界の王。
『惑わず・曲げず・頼らず』の精神も大概ワンオペを象徴していないかと。
藪をつついて蛇を出し合うような王様達の会話。
それか、ハデスが色々と天界の神々と遣り取りをしてる中。
何となく大人しくソファーに座ってる始皇帝とか。
ハデスに用があり訪問してきたヘルメスが、始皇帝がいたことに気付き。
ただじっと座っている人の子に対し、飲み物でもお持ちしましょうか?と問いかけるが。
思ったよりも静かに断られ、おや?と意外に思うとか。
絶え間なく他の神々への対応をしているハデスを横目に。
まだ時間がかかることを察し、少しだけ人の子とお喋りをするヘルメス。
何故あれほどに忙しそうなのかと始皇帝から質問をされ。
ハデス様が天界にいるのは珍しい事ですからと模範解答をすれば。
朕が先にいたのだぞ、とポツリと零されるとか。
人間が勝手に来た末に言っているだけかと思いきや。
正真正銘、互いだけのプライベートな時間だったものを。
いつの間にやら急用の者を皮切りに、なし崩しにされたのだと。
それは災難でしたね、とヘルメスは軽く苦笑しながら言うが。
では何故、ハデス様へと文句を言わないのかと疑問は浮かぶ。
いつもの尊大さすら鳴りを潜め、怒っているでも呆れているでもなく無感情。
想像以上におかしな思考をしている人の子を眺め、ヘルメスは面白がる。
その後。
しかし、いい加減に朕も飽きたと呟いた始皇帝が立ち上がり。
ツカツカとハデスの方へと歩いて行ったと思えば。
用がある者を全員室内に入れよ、といきなり命令を下し。
廊下にすらズラッと並び順番待ちしていた者達を全て室内に入れ。
ハデスへの用件を全員口頭にて説明せよと、周囲の者に一斉に言わせるとか。
予想外すぎる人間の行動に、ヘルメスだけは噴き出しそうになった。
人間に命令され当然のごとく言われた方は苛立ったが。
埒が明かぬゆえ朕が手伝うのだぞ?と神すら恐れぬ上から目線の人の子は言い。
放置していた始皇帝に対し多少の負い目があるハデスが許可を出し。
様々な声と言葉が室内を飛び交い、当然のごとく騒がしくなるが。
全て聞き終えた始皇帝が、数瞬ほど思考した後にコツっと指で机を鳴らし。
流れるような手際で淡々と口頭にて次々に指示を出していくとか。
優先順位に寸分の狂いもなく的確な指示を与えられ。
畏怖の念すら覚えゾッとする周囲。
一通りの指示を出し終えた始皇帝は、くるりとハデスへと向き直り。
これで時間ができるだろう、と爽やかに言うとか。
神の執務を軽々と奪った人の子を前に、眩暈すら覚えそうになる神々。
聞けば生前からあのような方法で執務をしていたらしく。
その理由が、大量に捌かなければならない故というでたらめさ。
褒美は何がよいかと、人の子へとハデスが問えば。
この後の時間を朕の為に使え、と始皇帝は笑う。
(2021/12/28)
(ハデ始)
万年冥界にいるから天界に来た時に色々と多忙になるハデスとか。
ほぼ天界の離宮の一室で缶詰め状態になったハデスに対し。
自業自得という言葉を知っているか?とワンオペぶりを指摘する始皇帝。
貴様の生前にも言ってやりたい言葉だな、と虚無顔で返す冥界の王。
『惑わず・曲げず・頼らず』の精神も大概ワンオペを象徴していないかと。
藪をつついて蛇を出し合うような王様達の会話。
それか、ハデスが色々と天界の神々と遣り取りをしてる中。
何となく大人しくソファーに座ってる始皇帝とか。
ハデスに用があり訪問してきたヘルメスが、始皇帝がいたことに気付き。
ただじっと座っている人の子に対し、飲み物でもお持ちしましょうか?と問いかけるが。
思ったよりも静かに断られ、おや?と意外に思うとか。
絶え間なく他の神々への対応をしているハデスを横目に。
まだ時間がかかることを察し、少しだけ人の子とお喋りをするヘルメス。
何故あれほどに忙しそうなのかと始皇帝から質問をされ。
ハデス様が天界にいるのは珍しい事ですからと模範解答をすれば。
朕が先にいたのだぞ、とポツリと零されるとか。
人間が勝手に来た末に言っているだけかと思いきや。
正真正銘、互いだけのプライベートな時間だったものを。
いつの間にやら急用の者を皮切りに、なし崩しにされたのだと。
それは災難でしたね、とヘルメスは軽く苦笑しながら言うが。
では何故、ハデス様へと文句を言わないのかと疑問は浮かぶ。
いつもの尊大さすら鳴りを潜め、怒っているでも呆れているでもなく無感情。
想像以上におかしな思考をしている人の子を眺め、ヘルメスは面白がる。
その後。
しかし、いい加減に朕も飽きたと呟いた始皇帝が立ち上がり。
ツカツカとハデスの方へと歩いて行ったと思えば。
用がある者を全員室内に入れよ、といきなり命令を下し。
廊下にすらズラッと並び順番待ちしていた者達を全て室内に入れ。
ハデスへの用件を全員口頭にて説明せよと、周囲の者に一斉に言わせるとか。
予想外すぎる人間の行動に、ヘルメスだけは噴き出しそうになった。
人間に命令され当然のごとく言われた方は苛立ったが。
埒が明かぬゆえ朕が手伝うのだぞ?と神すら恐れぬ上から目線の人の子は言い。
放置していた始皇帝に対し多少の負い目があるハデスが許可を出し。
様々な声と言葉が室内を飛び交い、当然のごとく騒がしくなるが。
全て聞き終えた始皇帝が、数瞬ほど思考した後にコツっと指で机を鳴らし。
流れるような手際で淡々と口頭にて次々に指示を出していくとか。
優先順位に寸分の狂いもなく的確な指示を与えられ。
畏怖の念すら覚えゾッとする周囲。
一通りの指示を出し終えた始皇帝は、くるりとハデスへと向き直り。
これで時間ができるだろう、と爽やかに言うとか。
神の執務を軽々と奪った人の子を前に、眩暈すら覚えそうになる神々。
聞けば生前からあのような方法で執務をしていたらしく。
その理由が、大量に捌かなければならない故というでたらめさ。
褒美は何がよいかと、人の子へとハデスが問えば。
この後の時間を朕の為に使え、と始皇帝は笑う。
(2021/12/28)