萌語り:ハデ始

◆翌日鈍痛
(ハデ始)

ハデスとの夜が激しすぎたせいで翌日に調子が悪い始皇帝とか。
アルヴィトが過度に心配してくるが、理由を言うに言えず少し困ったり。

キスマークを見られてしまい、天界で虫刺され!?と驚愕され。
病気かもしれないと、心配したアルヴィトが救急班を頼もうとするので。
「無問題(モーマンタイ)、朕に心配は不要也」
と、甘い空気を出し、全力でアルヴィトを丸め込む始皇帝。

その後、出来れば何か飲み物が欲しい、と我儘を言い。
アルヴィトが席を外してくれた事に、少しばかり安堵のため息をついた始皇帝は。
先ほどから楽しげに戦乙女と人間のやり取りを眺めていた神の方へと顔を向ける。
原因全てである自覚はあるのかと。

実に鮮やかな手並みで小娘を丸め込んだ始皇帝に対し、神は愉快気。
始皇帝にキスマークについて苦言されてもなお楽しげに。
気付かない方が悪いと、むしろ始皇帝の普段の服装の事を指摘し。
人の子がまだ文句を言いたげに口を開こうとするので塞いでやる冥界の王。

昨夜のことを思い出させるような口付けに。
くたりと体からは力が抜け、腰が砕けた状態にされた始皇帝。
これでは困るだろうなと、アルヴィトの帰りが近い事を分かっていながら囁くハデス。
どうにかせよ、と力の入らない手で神の腕に人が縋るので。
望みを叶えてやる冥界の王。

部屋にあと少しで到着する、少し手前の廊下にて。
ハデスが始皇帝を抱き上げて歩いてくるので驚くアルヴィト。
具合が悪かったようだとのハデスからの説明を聞き、飲み物を取り落としそうになる。
心配をかけたくはなかったのだろうなと推測を口にする神の言葉が心に突き刺さる。

ハデスに運ばれていく始皇帝を見送った後。
何が無問題(モーマンタイ)よ!と涙目でプンプンと怒るアルヴィト。

神の術中にはまった事を悟り。
後で覚えていろ、とハデスに運ばれながら悪態をつく始皇帝。


(2021/11/28)
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