ハデ始
「随分と大量だな」
「おお、冥界の王か! ちょうどよき所で相まみえた!」
カボチャのランタンを模した巨大な荷車に山盛りの菓子。
ハロウィンを満喫しているらしい始皇帝に対しハデスは感心した口ぶりで声をかけ。
荷台に縄をかけ引きずっていた人間が上機嫌に近づいてくるさまに、菓子でも要求しに来たかと予想した。
「そなたには一番に渡したいと思ってたゆえ探す手間がはぶけた!!」
「……?」
ぽすっ、と菓子の詰め合わせ袋を差し出され思わず神は受け取ったが。
予想と違う行動をされ、暫し目を瞬かせながら渡された菓子を眺めた。
「何故……余が菓子を渡される?」
「知らぬのか? ハロウィンとは菓子を配る行事なり!」
力強く断言した始皇帝は用事は済んだとばかりに歩き出し。
そんな人の王の背を、冥界の王は呆気にとられながら見送った。
ハッピーハロウィン
「ではな冥界の王よ! 今から朕は皆に菓子を配りに行ってくる!」
「配る側だと…?」
end
(2025/10/21)
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