アポレオ
「キミは意外と読書家だね。オレ様の神話は面白いかい?」
「読み物としちゃ面白いんじゃねぇか? あんたの失恋話ばっかでな」
人の読書の邪魔を断りもなく入れた神へと向かいレオニダスは皮肉を返し。
会話のジャブとしてはやや棘のある言葉を受けてなお神は余裕を崩さなかった。
「悲恋は儚く美しい、そうキミ達がオレ様に求めた結果だろうね」
「あーそうかよ」
相も変わらずキラキラと眩しいなオイとレオニダスは鬱陶しそうにアポロンに対し目を細め。
あまり地上界神話をお気に召した様子もない人間へと太陽神は問いかけた。
「キミは悲恋を好まないのかな?」
「神に振り回される話を、俺様が好むか」
理不尽な神という存在を嫌うスパルタの王らしい返答にアポロンは笑みを浮かべ。
レオニダスが持っている本へと視線を落とし、懐かしいとさえ感じる花々の名を眺め。
何を思い出しているものかと白けた目でアポロンを盗み見たレオニダスは鼻を鳴らし。
前々からの疑問を神へとぶつけた。
「――この花共にあんたが関係してるのは事実か?」
「ん? ああ、美しいだろう? 全てオレ様が手がけた植物達さ」
さも誇らしく自信作の自慢をするようなアポロンの口ぶりは軽々しく。
いかにも神らしく、いかにも太陽神らしい一点の曇りもない言動が人間の癪に障り。
葉巻を灰にする速度がじわりと上がった。
月桂樹。
向日葵。
ヒヤシンス。
ボスウェリア。
マリーゴールド。
太陽神に愛された者達の末路とされる花々。
人間が勝手に作り上げた悲恋話か、原型となる神話自体はあったのか。
そこまで突っ込んで聞けば目の前の神は容易に回答するだろうが、面倒だった。
話が真実であれ捏造であれ神の恋愛歴を気にしていると思われたくもなく。
口に溜めた煙を吐き出し、レオニダスは話を打ち切った。
悲恋の象徴
「キミを植物になんてオレ様なら絶対にしないから、安心しなよ」
「あんたとの悲恋なんざ、こっちから願い下げだクソ太陽神が」
end
(2025/04/02)
「読み物としちゃ面白いんじゃねぇか? あんたの失恋話ばっかでな」
人の読書の邪魔を断りもなく入れた神へと向かいレオニダスは皮肉を返し。
会話のジャブとしてはやや棘のある言葉を受けてなお神は余裕を崩さなかった。
「悲恋は儚く美しい、そうキミ達がオレ様に求めた結果だろうね」
「あーそうかよ」
相も変わらずキラキラと眩しいなオイとレオニダスは鬱陶しそうにアポロンに対し目を細め。
あまり地上界神話をお気に召した様子もない人間へと太陽神は問いかけた。
「キミは悲恋を好まないのかな?」
「神に振り回される話を、俺様が好むか」
理不尽な神という存在を嫌うスパルタの王らしい返答にアポロンは笑みを浮かべ。
レオニダスが持っている本へと視線を落とし、懐かしいとさえ感じる花々の名を眺め。
何を思い出しているものかと白けた目でアポロンを盗み見たレオニダスは鼻を鳴らし。
前々からの疑問を神へとぶつけた。
「――この花共にあんたが関係してるのは事実か?」
「ん? ああ、美しいだろう? 全てオレ様が手がけた植物達さ」
さも誇らしく自信作の自慢をするようなアポロンの口ぶりは軽々しく。
いかにも神らしく、いかにも太陽神らしい一点の曇りもない言動が人間の癪に障り。
葉巻を灰にする速度がじわりと上がった。
月桂樹。
向日葵。
ヒヤシンス。
ボスウェリア。
マリーゴールド。
太陽神に愛された者達の末路とされる花々。
人間が勝手に作り上げた悲恋話か、原型となる神話自体はあったのか。
そこまで突っ込んで聞けば目の前の神は容易に回答するだろうが、面倒だった。
話が真実であれ捏造であれ神の恋愛歴を気にしていると思われたくもなく。
口に溜めた煙を吐き出し、レオニダスは話を打ち切った。
悲恋の象徴
「キミを植物になんてオレ様なら絶対にしないから、安心しなよ」
「あんたとの悲恋なんざ、こっちから願い下げだクソ太陽神が」
end
(2025/04/02)
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