その他

「圓潮! 言われた通り声かけて連れてきたぜ!」
「おや、随分と強制的に連れてきたネェ?」
「……あんたの仕業か、圓潮」


雷電に荷物のように小脇に抱えられていた鏡斎は、驚いた様子もない圓潮を睨んだ。
睨まれてなお動じない圓潮は、心外だとばかりに相手に向かい笑いかけた。


「あたしはただ豆まきの参加者が少ないから声をかけてくるよう言っただけだよ」
「拉致ってこいの間違いだろ」


誰が騙されるかと不機嫌を隠そうともいない低い声で鏡斎は悪態をついた。
思いの外不機嫌な鏡斎に、はてと圓潮は首を傾げた。


「絵の途中だった訳じゃないだろう?」
「叩き起こされた身にもなれ」
「それは悪かったネェ。寝起きだったかい」


まったくもって悪気のない顔で謝る圓潮。
その様子に、何を言っても無駄そうだと鏡斎は早々に理解した。
黙り込み色々と諦めたらしい相手に笑みを向けてから、圓潮は周りへと声をかけた。



「さて、人数もそこそこ集まったようだし、豆まきを始めようか」



楽しい豆まき
強制参加者多数。


end
(2015/02/09)
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