その他

「鏡斎。今とある茶屋のメニューを柳田が作ってるが、食べるかい?」


一息ついている時に部屋へと入ってきた圓潮からの誘い。
もうおやつ時かと思いながら、鏡斎は筆を置いて問い返した。


「何を作ってるんだ、柳田サンは?」
「ジェラシーを作ってるそうだよ」
「……柳田サンは嫉妬を具現化できたのか」
「あたしも最初聞いた時はそう思ったけどネ」


真顔で言う鏡斎に対し、笑いながら圓潮は、残念ながら違うよと言った。


「焼いた餅だそうだよ」
「……何でジェラシーが餅になる?」
「ジェラシーの別名が『焼き餅』だからじゃないのかい?」


聞いてしまえば、なるほどと呆れるほど単純な答え。
単なる言葉遊びかと思いつつも、若干残念そうに鏡斎は呟いた。



「……柳田サンが本当に嫉妬を料理してたら、面白かったのにな」



焼き餅
「圓潮師匠。ジェラシーが出来上がりました」
「柳田サン。嫉妬を具現化する気はないか?」
「え?」


end
(2014/01/01)
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