その他

「……楽しいか?」
「うん、とっても!!」

無邪気に抱きついてくる少女。
モデルにした娘を廃駅の一角に置いてきた後、出来たばかりの作品に足止めをされた。
どうせ二度と会えないのだと考え、暫くの間は好きにさせようかと思った。

「ずっとずっとこうしていたいね!」

笑いながら言う少女。
頭を撫でてやれば一層花が咲いたように笑った。
撫でるのを止め手を引けば、不思議そうに少女が首を傾げた。

「もう行くのぉ?」
「ああ」

もっと一緒にいたいのに、と目で訴えかける少女をもう一度だけ撫でた。


「私だけの遊び相手になってくれないの?」
「遊び相手なら……連れてくればいい」

好きなだけ。
暗い地下の廃駅で一人ぼっちは寂しいだろうから、犠牲者は多い方がいい。

「また会える?」
「……さぁな」


最初で最後
「じゃあ、最後にいっぱいぎゅーってして!」


end
(2011/11/06)
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