雷鏡

「うぉおOOお! すげー雪だぜ、鏡斎!!」


まだ寝ていた鏡斎へと声をかけた雷電は、一面の雪景色の中に飛び出していった。
大声に叩き起こされた鏡斎は布団から出ようともせずに外の様子を眺めた。


「……犬だな」

雪に興奮する犬も今時いないかと考えてから、雷電の薄着具合に風邪をひかないのかと疑問に思った。
馬鹿は風邪をひかないか、風邪をひいても馬鹿は気付かないか。
どちらにしろ、雷電なら風邪の方から逃げ出しそうだった。


「寒い」

取り敢えず、外を走り回った雷電が布団を剥ぐか、暖を取りに来たら叩き出す。
蓑虫の様に布団に潜り込みながら鏡斎は決意した。


end
旧:拍手文
(2013/1/2~2/11)
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