雷鏡

「鏡斎! お前が〈産んだ〉奴って全員思春期かよ!!」


服がズタボロの状態で鏡斎の家へと来た雷電は、開口一番に叫んだ。
家に上がり込むなり大声で訊いてきた雷電に、寝転がっていた鏡斎は冷静に答えた。



「反抗期の間違いだろ」



何があったんだと、面倒くさそうに起き上がりながら雷電へと視線を向けた。



「圓潮が頼むから家と鳥居を直しに行ったら、いきなり襲いかかってきたんだぞ!!」
「……××村と切裂とおりゃんせの所か」


はしょり過ぎている雷電の言葉を補完しながら鏡斎は納得した。
確かに、その2か所の気性は荒い。



「くっそー、お前の様子聞いてくるから教えてやったのに襲ってきやがった」
「余計な事でも言ったんだろ」
「昨日の事言っただけで余計かよ」
「……全部か?」
「朝から晩まで全部言ったぜ!」

丁寧に教えた結果がコレだと憤慨しながら雷電は言った。
一方、雷電の言葉で粗方理由が分かった鏡斎は呆れた様子でため息をついた。


「あいつら、お前に襲い掛かってくる時、何か言ってたか」
「ん? たしか『義父と認めてたまるか』とか叫んでたぜ」



親の恋人
「……まぁ、合ってるけどな」
「絶対、二度と行かねーからな!」


end
(2012/05/01)
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